何かが足りない 2
「男というものは、ホトホト何かが足りない。」と書いた同じ日の夜。 長男たちの同世代数人が、育った道場に稽古に出向いている。 1週間ほど前に飲み会を開いたのが切っ掛けになり、ちょっとした同窓会稽古。 流石に長男だけなら、稽古風景を見に行くのは気恥ずかしいが、皆成人しているとはいえ気心知った子供たち。 時間を見計らい「ちょっと見てくる」と出かけようとしたら、「牛乳買い忘れたから、コンビニで(良いから)買ってきて」と“かみさん”「あいヨ」容易いことと答えた。 道場は世代が入れ替わり、ほとんど知らない親御さんの中で、唯一知っている親と懐かしみながら眺め懐かしみ成長を喜んだ。 別々の車で帰る息子に向かって、「コンビニに“よらなければならない”けど酒いるか」「いい(いらない)」 修士課程に進む長男は卒部しており、どうやら疲れたらしく、明日のバイトも気にしているらしい。 「本当にいらないんだな」と確認し、何軒かのコンビニを通り過ぎながらどこの牛乳がいいだろうと結局、家に一番近いコンビニ。 『お酒は、、、あっ、今日遅まきながらケーキを買ったから、良いものにしよう。子供たちにも』と、プレミアムビールとソフトドリンクを選んで上機嫌。 翌朝、「牛乳はどこ?」 男というものは、ホトホト何かが足りない。「忘れた」