クモだって、ムカデだって、彼らの言い分がある?
部屋に、おっきなムカデが出た。 寝ようとした頃合いに ガサガサカサカサって、ベッドの枕元から1mも離れていない。 思わず、ちいさなチリトリで 思いっきり打ん殴ると、本棚の元、空きペットボトルの山の中に消えていった。 うちは 部屋ねこ「かふん」がいるから 滅多矢鱈(めったやたら)に殺虫剤をまけない。 でも。 「かふん」、ごめんなさい。 一晩か、二晩。お外で寝ておくれ。 咽(むせ)返るほど殺虫剤をまいて アタマまで毛布を引き寄せて、寝た。 いや 寝ようとした。 朝方、ようやくウトウトしかけたとき ぽとっと天井からムカデが落っこちてきて、悲鳴を上げて飛び起きた。 そのビジョンと 実際の部屋の様子が、微妙に違ったので たぶん、夢だったのでしょう。 けれど ドキドキが止まらない。 止まらないまま 眠れず、こうしてブログを書いている。 2週間ほど前 ベッドに横たわってTVを見ていたら ガサガサって、足元にムカデを発見。 いまだかつて 一遍も読んだことがない市役所さんの公報を広げて押し付けた。 ぐにゅぐにゅぐにゅぐにゅ暴れるのを 公報ともども、お庭に捨てた。 雨が上がって 拾い上げると、当然にムカデさんはいない。 まあ、お外ならいいか。 とりあえず 生れて初めて、市役所公報さんに感謝したワケです。 ここ十数年 お部屋では見たことがなったのに。 最近 おっきなクモさんやら、赤光りするムカデさんやら、てかてかのゴキブリさんやら ほんと勘弁してくださいな。 あなたたちには、何の悪意もないかも知れんけど。 姿を見ただけで あたしは不安になって、夜も眠れなくなる。 不安を取り除くため あなたたちを叩き潰さんといけんくなる。 死にたくなければ お願いだから、出てこないで! と言って 素直に言うことを聞いてくれれば 金鳥さんもアースさんも破綻しちゃます。 きっと クモさんやら、ムカデさんやら、ゴキブリさんやら 彼らにも 生きるための言い分があるワケで。 その目的に沿って 刺そうと、噛みつこうと、這いずり回ろうと あたしが死ぬほどのことはない。 なのに、その代償として 彼らは、踏み付けられ、叩き潰され、殺虫剤をまかれ、生命を落としちゃう。 どこか 理不尽と言いますか、不条理と言いますか。 まあ あたしの知ったこっちゃありませんけど。 国会前の学生さんに殺人予告が届いたとか。 ヤフ・コメさんは ヒトを呪わば穴二つやら、自業自得やら 彼の、そもそもからして攻撃的な言動を揶揄(やゆ)する投稿も少なくない。 何と言いますか。 あたしたちって 想像力過多なのか?それとも、圧倒的に欠落しているのか? ほんと、よく判んないね。 人民解…失礼、他国の軍が侵略してくる。 そういう 曖昧模糊(あいまいもこ)とした近未来の危機・恐怖には、すっごく想像力豊か。 自国による国防の充実を!とか 九条の念仏で、とことんの話し合いで解決すればいい!とか。 憲法の規定がどうのこうの、憲法より国際法が、どうのこうの 大上段に構えた、机上の空論ばかり…失礼、どうだっていいことばかり ああだこうだ、丁々発止と俎上(そじょう)に上がる。 なのに ご近所の陰口とか、見知らぬダレかの誹謗中傷とか ちっぽけで、けど、とっても他人(ひと)を傷付けちゃう より現実的な危機・恐怖には ちっとも想像力が働かない? しょせん、生命までは取られやせんのに。 己が不安を持って 相手の生命を踏み付けようとする、平気な顔で叩き潰そうとする。 サヨクさんや、国会前の学生さん・お年寄りは あくまで、ゴキブリの「ような」であって ゴキブリそのものじゃない。 そもそも ゴキブリさんは、あたしたちの生命を脅かすほどの存在じゃない。 それを 手前勝手な価値基準で打っ殺そうとして、どうする? 何の衒(てら)いもなく、己が蛮行を正当化して、どうする? どれほど 狡猾…失礼、高潔な人格で、崇高な理念をお持ちと言えど。 選挙で信任されない限り 市民団体さんも、国会前の学生さん・お年寄りも、サヨクさんも、ウヨクさんも しょうもない落選運動を繰り広げる、どうしようもないヒトビトも あたしたちの代弁者とは、なり得ない。 同時に あたしたちの社会秩序が、司法さん、公安さんと信任しない限り 何人(なんびと)たりとも、一時の感情で、ただの思い付きで、他人を裁くは許されない。 あたしたちは ダレも、神さまじゃないんだよ。 自分では どれほど正しいと思っても、どんなに間違っていないと確信しても あなたの「私的感情」に、ダレも、あたしたちの安寧を委(ゆだ)ねちゃいない。 そんなものに 何の「正義」も、価値もないんだ。 思い上がりも、大概にしなよ。 ダレであれ、どんな理念であれ、どういう「正義」であれ 特定個人への誹謗中傷は、まして、恫喝・恐喝なんか、絶対的に許しちゃいけない。 穴二つじゃない。自業自得じゃない。 あたしたちの私的感情が、どうとかこうとか、理屈じゃないんだよ。 何であれ あたしたちの安寧を破るもの。 それは決まって 公権力で、徹底的に叩き潰される。 そんなの 当たり前でしょう? とっても、ちっぽけだけど。 より現実的な、より身近な恐怖への想像力。 あたしたちの 何気ない一言が、ちょっとした悪意が、齎(もたら)す絶望的な恐怖。 それすら 判らない、理解しようとしない、想像力の圧倒的な欠落者に あたしたちの未来を語る資格なんかない。 落選運動を繰り広げるおバカも 自己顕示欲を「正義」と勘違いするおサルに、恫喝・恐喝するバカも。 そこに 何の違いもない。 手前勝手な理屈で持って、他人を誹謗中傷して平易な顔。「正義」面(づら)。 そういうの 一網打尽に、あたしたちの社会秩序から消し去っちゃっていい? 自分に向かって、そうされるのがイヤなら 他人に向かって、そういうクソつまんないこと、やらないように。 おっきなクモさんとか、赤光りするムカデさんとか、てかてかのゴキブリさんとか。 彼らにも 生きるための言い分はある。 それを問答無用と 踏み付けられ、叩き潰され、殺虫剤をまかれ、生命を落とす。 そこに ちょっとは、理不尽さを感じましょうよ。不条理を感じましょうよ。 たとえ 敵対する存在だとして、どこを、どう考えたって共存できない存在だとして。 それでも より身近な隣人を思いやる、他人の痛みを慮(おもんばか)る想像力こそ 安保法案が、どうのとか、日本の国防が、どうのとか そういう くっだらない想像力より、よっぽど価値があると思うのです。 クモでも、ムカデでも、ゴキブリでも 国会前に屯(たむろ)したバカでも、サルでも、キ○ガイでも。 彼らを傷付ける前には その痛みを考えたっていい。 たとえ、どういう存在だとして 無慈悲に、あるいは、渾身の悪意で持って やみくもに叩き潰されていい道理はない。 そうです。 何にだって、痛みはあるのです。 とりわけ どんなに腹が立とうと、このブログやあたしに「だけ」は 誹謗中傷なんて、絶対的にしちゃいけません。 クモだって、ムカデだって 彼らの言い分があるのです。