初売りと言っても
何だか、お得じゃないな。
ネット・スーパーのメニューに
いささか、溜息を付いた、あと。
近所のスーパーの電子チラシを見る。
握り寿司ファミリー・パックが、3,000円?
スーパーのお寿司が、美味しいハズもなく
いつもなら
ふーんで終わるトコロなんだが。
ウニが4つ、イクラが4つ、エンガワが4つ、子持ち昆布が4つ・・・。
あたしは
大急ぎで、身支度を始めた。
だいぶん昔。
どうして、お寿司屋さんの単品って、あんなに高いんだろう?
いっそ
盛り合わせを頼んで、好きなお寿司だけ、食べて遣ろうかしら?
そんなに値段は違わないだろうし
好きに摘まめる分、豪勢で、業腹に思わなくて済む。
そう読んだ記憶がある。
あたしは、マグロが嫌いで
ごく偶に、スーパーのお寿司盛り合わせを購入しても
マグロは、ウチの部屋ネコが食べる。
いや
彼女は、マグロの赤身にしか興味がなく
サーモンとか、エビとか、プイと横を向いて、決して食べようとしない。
あたしは
食事に関しては、ネコっ可愛がりを、しないので
いつも、一番安いカリカリ猫飯しか、与えていない。
だから
お寿司やお刺身の匂いがすると、彼女は、じっと見詰めてくる。
偶の贅沢だからと、マグロを置くと
一心に食べて、もうないの?と上目使いして
そして、何事もなかったかのように、カリカリご飯で、足りないお腹を満たす。
好きなモノだけ食べて、お互いの満足に矛盾しない。
そんな
相互に補完的な関係は、ちょっと良いかも?と思ってみたりする。
昨年末は
ネット・スーパーが売りに出さなかったから
3千円強のおせちセットがない新年となった。
別に
狂乱物価の年末年始に、贅沢をしたいとは思わないので
それは、それで、よかったのだけど。
お雑煮のバージョン・アップで
即席麺と即席みそ汁を放り込んで、お餅を炊いたら、一時間後に吐いた。
お正月、二日目にして、何て年だ!って
すこおし恨めしかったので
験直(げんなお)しとして、3千円のお寿司盛り合わせは、有難かった。
ウニから攻めて、イクラに、エンガワ。
途中、口直しに摘まんだホタテが、思いの外、豊潤で
薄過ぎる子持ち昆布を割り引いても、あたしは、とってもご機嫌だった。
さすがに
全部、ひとりで食べ切れるワケがなく
タイとか、マグロとか、イカとか、エビとか
殆どをタッパーに移して、新年初めての、ちょっぴり贅沢が、無事に終了した。
なんか、さ。
回転寿司でもなく、スーパーのお寿司だよ。
それで、こんなに嬉しい気持ちになるなんて
ほんと、あたしの味覚は、タカが知れるってもの。
それに
みんなで分け合って食べるご飯が、一番に美味しい!ってのが
どうも、世間さまの評判だけど。
ごめん、あたしは一人で、好きなネタだけ、お腹いっぱい食べた方が、仕合せみたい。
十年後の、三十年後の、自分の幸せを見詰めちゃうから
愛想笑いを浮かべながら
イヤなヒトと、イヤな仕事をして、イヤなモノを美味しそうに食べて。
そうやって
なんでもかんでも、我慢するクセが、いつの間にか、あたしたちに付いちゃった。
我慢するなんて、どうってことはない。
そうやって、自分を戒めているうち
他人(ひと)にも、そうやって、押し付けていない?
そう、さ。
おせちが無くったって我慢して、お雑煮に即席麺を放り込んで食べて、吐けばいい。
そんな痩せ我慢を、ダレも笑ったりしない。
けれど
自棄(やけ)買いした、たかだか3千円のお寿司で、とても幸せな気分になることもある。
我慢だけがエラいんじゃなく、時には、刹那的な快楽を追い求めたって、いいじゃない?
昨年は、隣国の反日感情の高まりで
あたしたちは、堂々と、嫌中・嫌韓って思いの丈を叫べるようになった。
よくやくに自虐史観を捨てて
あたしたち日本民族の矜持を、声高に主張できるようになった。
けれど
いまだ、あたしたちは
旧態依然とした、無理矢理に我慢を強いる自虐的常識・良識に囚われていない?
もう、三十年後のことなんか、どうだっていいじゃない?
だから、今年は
せめて今の、刹那的な愉しさを追いかけて見たい。
今か?三十年後か?の問題でなく
今が愉しくないのに、三十年後が愉しいハズがないもの。
そこで
そう、即席麺入り味噌仕立てのお雑煮でなく、3千円のお寿司を、ひとり食い。
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最終更新日
2014年01月03日 17時53分15秒
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