なんでもない日バンザイ！

嫌われ松子の一生のDVDを見ました。面白かったです。

物語は、松子の死体が発見されたところから始まる。
松子の家の整理をまかされた甥っこが松子の生涯を知ることになる。
白雪姫みたいにステキな恋をして、幸せな暮らしを夢見る幼い松子。
しかし、教師になった松子は、ある事件がもとでやめざるを得なくなり、それから
ホステスや愛人、ソープ嬢、やくざの女などどんどん落ちていく。

ミュージカルで風。ディズニー映画風。ファンタジーみたい。
色も昭和のサイケなかんじが出てる・・・。
笑えるんだけど泣けてくる。

馬鹿馬鹿しい映画にも見えますが、そうではない。
人を愛して一途に一生懸命な松子が可愛くも思えます。
遠藤周作の「わたしが・棄てた女」ミツに通ずるものがあります。
彼女も人の傷みを自分の傷みと感じたり、
主人公の男が無理やり暴行しミツを棄てたのに、
一心に彼を愛し、彼のためにつくそうとするミツと松子が重なりました。

どんなに暴力を振るわれても、ボロボロにされても、
相手のために愛を与え続ける。
松子が、「なんで？？」って叫ぶときが何度もあるんだけど
信じて信じて、でも裏切られて・・・・。
なんでの答えは、誰も返してくれないけど、
松子は、また性懲りもなく人を愛し、
愛されたいとせつに思い続けるのです。
父に愛されたい・・・。男に愛されたい・・・。

甥っ子の彼女は、あなたに頼ってばかりじゃだめだと
愛を受け取るより与える人間にならなきゃと
ウズベキスタンへ海外青年協力隊として飛び立つ。
松子と彼女は、そっくりな顔しているのだけど、
愛を与えたいと考える二人は、同じなのだけど、
松子より強くポジティブに見えるのは、なぜ？

誰かのためにできることはなんだろ
本当の愛とはどういうことなんだろ
本当の幸せとはどういうことなんだろ

松子は、天国への階段を笑顔でのぼっていく。
父からも妹からも実は、愛されていた。
最後の男からも実は、愛されていたのだ。
誰かから愛され、誰かを愛せたことは、
天国への階段をのぼっていくことができるんだろうな。

映画の中で昭和４０年代が至るとこで出てきて楽しめます。