損保ジャパン東郷青児美術館で、先週の土曜日から8月30日まで、<ちひろ美術館コレクション「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」>が開催されています。
とても楽しい展覧会です。
そういうと、「絵本」に悪いのですが、とにかく原画は美しいです。
もちろん、絵本にするための描かれた絵ですので、絵本になってが勝負なのですが。
土曜日の夜、下見会があって、今日、小学生を会場に集めて、鑑賞会がありました。
6人から7人のグループで鑑賞をしました。
中には、これ知ってる、という絵本もあって、とても和やかで、やりやすかったです。
今でも、ベストセラーランキング上位に入ている、瀬川康男の「いないいない ばあ」のくまちゃんたちは、アクリル絵の具の上にガッシュ(不透明水彩絵具)を重ねることによって、絵の具の弾く効果で描かれています。そして特にホワイトが効果的に使われています。
赤羽末吉・絵の「スーホの白い馬」は、物語と絵が、小学校2年の教科書にも出ているようで、全員が知っていました。
この絵は、日本画顔料で描かれているのですが、絵本よりもっと繊細で、物語を出しながら、3点の原画にみとれました。
「スーホの白い馬」は、絵本とそんなに大きさは違いませんが、原画がとても大きい、エリック・カールの「はらぺこあおむし」のあおむし君は、彩色した薄紙を切て、それを絵の具のように、貼り合わせて描いています。絵本を見ていた時は、そんなことには、気がつきませんでした。
美しく彩色された使用前の薄紙も展示してあり、こういう紙を貼ったんだと、子どもたちも喜んで見ていました。
チラシに載っているクラウディア・レニャッツィというアルゼンチンの作家の作品もよく見ると、小さな米粒、パスタ、布、糸、羽など様々なものが貼り合わされて描かれています。
「花には、お米や花形のパスタ、いもむしには豆、木には葉っぱ、鳥の羽には本物の蝶の羽、女の子の髪の毛には、しつけ糸・・・」といった作品です。
この効果は、原画を見なければ、分からないです。
絵本を見る目が違ってきます。
こんな風に、この展覧会は、何時間いてもあきないと思います。
これから、何回か鑑賞会があるので、また、書きます。