損保ジャパン美術館に、ゴッホの「ひまわり」と並んで、モネの「税関吏の小屋・荒れた海」という作品があります。
常設展示室に飾ってあるのですが、ここはもともと、ゴッホの「ひまわり」とセザンヌの「りんごとナプキン」、そしてゴーギャンの「アリスカンの並木路、アルル」の3点の絵が並ぶ場所だったのですが、このところ、セザンヌ、ゴーギャンが貸し出され、モネの「税関吏の小屋・荒れた海」が展示されています。
子どもたちに、好きな絵は?と聞くと、「ひまわり」の次にこの絵に人気が集まりますます。
海の色が波がたっているのでしょう、白いので、海でなく、雲、つまり空だと思う子もいます。
いろいろ会話が成り立ちます。
私は、最初あまり、気に留めていなかったのですが、しだいに、気になって、じっくり見るようになっています。
先日、ブリヂストン美術館へ行くと、「うみのいろ うみのかたち」展をやっていました。
ここの美術館は、所蔵品をテーマによって展示して、メッセージ発しています。
とても好きな美術館です。
今回は、海をテーマにした絵画を4つのテーマ別に紹介しています。
4つのテーマは、形、色、モチーフ、イメージです。
形のテーマの中に、モネの「雨のベリール」があります。
<海には本来定まった色も形もありません。画家たちが海を絵に描こうとするとき、遙か彼方に広がる水平線や波、水に反射する光や太陽の動きなどによって形や色が与えられてきました。決められた色も形もない代わりに、海にはさまざまな描き方や種類があります。
本展では収蔵品の中から「海」をテーマにした絵画作品を展示し、海をめぐる多様な表現や画家たちの視点をご紹介いたします。今年の夏はブリヂストン美術館で「海」をご堪能ください >
展示の最初に、このような言葉がありました。
「海には本来定まった色も形もありません。」 これを読んで、そうだと思いました。
海は青い、大きい、広い、そうした固定観念をぬぐわないといけません。
海は、全てを含んでいます。
そいう意味で海は大きいし、深いです。
モネの「雨のベリール」、岩に白い波が寄せています。動いているようにも感じられます。戸外で絵を描くということの始めだったということで、じっくりと波をしっかりととらえています。
「税関吏の小屋・荒れた海」にも通じます。
ブリヂストン美術館は、印象派を中心とするヨーロッパの近代美術と明治時代以降の日本の洋画を収集、展示しています。東京で戦後、最も早くできた美術館です。
東京駅八重洲口にあるので、地方から来た人にまず案内したい美術館です。