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テーマ:DVD映画鑑賞(13960)
カテゴリ:ドラマ
[総評]最初はただのコメディかと思っていたが、3話あたりから感動してしまいました。
親の愛を知らず、暗い少女・青春を過ごした主人公愛ちゃん(菅野)が、温かい人々と触れあう中で、明るさを得、強く生きる力を得ていく。 人はやはり、1人では生きられない。 だれかの役に立つ、必要とされているという実感こそが最も大切なものだ ということがよくわかる。 このドラマは愛情に飢えた人が多い現代で、生とは、幸せとは何かを訴える隠れた傑作かもしれない。 それにしても、菅野さんはいい演技をしている。ほんとうの演技派女優ではないと、このドラマは成り立たなかったと思う。 玉置さん、和久井さん、小日向さんらもハマリ役です。 こんなドラマがあったとは驚きました。 「あいのうた」評価4.5(5段階) 2005年 日テレ 主演:菅野美穂 出演:玉置浩二、成宮寛貴、小日向文世、和久井映見、岸田今日子 [序盤] 孤独の中で、生きる意味を失った松田洋子(菅野)は自殺を図るが、死にきれず、警察官の片岡(玉置)に助けらる。暗い過去を精算したい洋子は記憶喪失を装い、「愛ちゃん」として、妻を亡くして子供3人と暮らしている片岡の家で暮らすことになる。 片岡(玉置)家での子供たちのお弁当騒動のてん末。最後は感動しました。 なにげないことですが、温かいですね。それをやさしく見守る房子(和久井=片岡の妻の親友)もいい。それと、温泉でも愛ちゃんの秘密を知った上でいろいろ相談に乗ってました。 和久井さんて、こんなキャラでしたっけ? かわい過ぎです。はまってしまいました。 このキャラは和久井さん以外では絶対ありえないでしょう。よくこういうキャスティングしましたね。 [中盤] 片岡の主治医、牧野医師(岸田)がかつて亡くなった片岡の妻について語った言葉、 「愛する人がいるということと、愛されているという自信。それが人を強くする。愛ちゃんもそうなってくれるといいね」 のとおり、愛ちゃんは片岡によって明るくなり、生の力を得ていく。 そして、互いに秘密を打ち明けた二人。愛ちゃんは片岡の厳しい現実を知る。 それでも 「笑っていると力が出る。だから笑っていようと決めた」 という片岡に対し、全てを受けいれた上で、 「これからは人に愛を与えられる人になろう」 と決意した愛ちゃん。それだけ強くなっていたということですね。 片岡の現実を知った小日向さんの態度もかっこよく、見直しました。 [終盤] 「おまえ達が大好きだ。だから自分を大切にしてほしい。何があっても生きるんだ。大切な人をつくれ、そうしたら強く、やさしくなれる。そして本当に困ったときはお父さんが絶対に助ける。」 片岡はついに子供に自分の死期を告知したあと、そう言った。 愛ちゃんが「子供は親の言葉がほしい。親の言ってくれたことは忘れない、私にはその経験がないんだ。」 と言ったことに後押しされたからだろう。 「クリスマスが終わったら出て行ってほしい」という片岡。 それは自分や子供たちが愛ちゃんの重荷にならないように、配慮しようとしたからだ。 しかし愛ちゃんはそんな片岡の気持ちは百もお見通しで、片岡をしかり飛ばす。 そして房子に、片岡の子供たちとずっといっしょにいたい、と語り、 「愛する人の子供だもんね」 と言われて、微笑みながらうなずく。 愛ちゃん、たくましくなりましたねえ。 愛されているという自信からだろうか。涙が出てきました。 クリスマスのあと、愛ちゃんが教会で、ゆくえ知れずの母に語りかける。 「私はあなたに愛されないことを恨んできたけど、今はちがいます。 あなたも愛されたことがなかったから、愛し方がわからなかったんじゃないか と、愛する人のおかげで、そう思うようになりました。 ありがとう、私を生んでくれて。 あなたが生んでくれたから私は愛する人と巡りあうことができました。」 そして片岡には、 「ありがとう優二さん、あなたに教えてもらいました。この世界はなんて素敵なんだろう」 [感想] 孤独の中で生きる意味を失い、自殺未遂を起した人が、このように自然に明るく、強く、人を愛するようになる。 それは、はやり最初に述べたように、 「だれかの役に立つ、必要とされているという実感」がもっとも重要であり、それが愛し愛されるということだろう。 これがこのドラマのテーマなのだと思う。 いやいや、いろいろ考えさせられ、勉強になりました。 小日向さん、和久井さんがコメディタッチで笑えるところもあり、別の意味で面白かったし、なんと言っても、菅野さんの演技力につきますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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