えー、知人がひょこっとやってきました。挨拶もそこそこに彼は本題を切り出しました。
Sさん:「4×5をセットで譲ってくれるって人がいるんだけど、どう思う?」
こりゃまた凄い物欲に感染したもんだと思いました。
彼(Sさん)は、サラリーマンですが写真にのめり込み、結構な頻度で作品として発表している人です。主な被写体は、ポートレートと舞台。僕に負けじとかなりの機材を持っており、ここ近年「ライカ買った」とか「ローライ買った」と言っては見せに来ます。
僕:「し、しのごですかぁ?」
思わずちょっと引いちゃいました。>僕だって4×5を久しく使っていないからさ
なんでもSさんの知人の写真家が2セットある内の1セットを譲る、というもの。金額もちょっと大きいです。
自分の買い物も好きですが、他人が買い物をすることだって好きな僕ですが、ちょっと言葉に詰まってしまいました。するとSさんは、「立ち話はなんだから飲みながら話を聞きたい」ということで、急遽飲みに出かけました。
僕はもともと大判好きですから、4×5をやってみたいなんて人が眼の前に現れたなら、バンバンお勧めするでしょう。しかし、今回は状況がちょっと違います。既に機材のオファーがされており、それを見たことで最強に強まったSさんの物欲のオーラがメラメラと燃えているのが見えてしまったからです。
「欲しい、買いたい、使ってみたい」というSさんの気持ちは痛いほどわかりますし、いつもの僕であれば、イケイケドンドンと乗せまくったことでしょう。しかし、めちゃめちゃ引き止めました。それは、
僕:「市場価格を考えたら提示されている半額以下じゃないですかね。何しろ僕のジナーPの引き取り価格を聞いたら、3万って言われて泣きそうになりましたから」
それでもなんとか僕から「お勧め言葉」を貰って物欲心を満足させたいSさんはアレコレと理由を言ってきました。そーゆーのを論破するの大好き( ̄ー ̄)ニヤリ
提示価格が高いのでは?
↓
あれだけのセットと綺麗さなら納得できる
白黒現像やプリントは自分でしない主義でしょ?
↓
暗室を作っているから、これから勉強してやるよ
4×5は操作が複雑だよ
↓
少しずつ技術を身につけて、リタイヤ後に使いこなしたい
え?今はまだ始めないの?
↓
仕事もあるし、すぐって訳じゃないかもしれない
ふーん。それじゃ、大判なんて価格が崩れまくっているから今買わなくてもいいじゃん
↓
うっ・・・
それに、ローライやハッセルのクオリティじゃ足りないの?
↓
そ、そーゆーことはないけど
んもー。ズバリ言うわよ。その値段は高すぎ。数年前って感じ。それに4×5で撮影した経験の無い人が購入する金額じゃないって
↓
でも4×5でポートレートを撮ってみたいんだよねぇ
あまり他者を悪く言いたくないのですが、なんとなく「買いたい」って気持ちがある人に「売り抜きたい」って雰囲気があるようで、あくまでも今回は引き止めたいと思っていました。
このままでは堂々巡りなので、多少弱気になった所で、これなら効果MAXだろうという言葉をぶつけてみることにしました。
僕:「4×5はゆっくりしたリズムで撮影するカメラです。Sさんの撮影スタイルには似合いませんよ!」
さすがにこの言葉は、出力120%の波動砲がガミラス軍に的中したように、操作の仕方や、リズムなどの話をした後だっただけに、効き目がズキーンと当たったようでした。
ま、それだけじゃせっかく4×5をやってみたいという「気持ち」を単純に摘み取ってしまうだけだとあまりに可愛そうなので、「1度機材を貸しますから、一緒に4×5で撮影しましょうよ」とフォローしておきました。経験してみて「やっぱり欲しい」なら、いいと思うんですよねぇ。
それにしても、リンホフ・マスターテヒニカのウイルスは超強力な感染力を持っているらしいです。
「赤影布哇」
Mamiya ZD
without IR cut filter
Digital Infrared Photography
Mamiya Sekor AF28mm F4.5D Aspherical
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↑こーゆー道って好きなんですよ
「大口径開放戦線」
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