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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン& オペラとクラシックコンサート通いのblog

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2024年03月19日
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カテゴリ:オペラ


新国立劇場 14:00〜
 4階正面

 トリスタン:ゾルターン・ニャリ
 イゾルデ:リエネ・キンチャ
 クルヴェナール:エギルス・シリンス
 ブランゲーネ:藤村実穂子
 マルケ王:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
 メロート:秋谷直之
 新国立劇場合唱団
 東京都交響楽団
 指揮:大野和士
 演出:デイヴィッド・マクヴィカー

 14年振りの再演です。トリスタンって、人気あるけど演るの大変なんでしょう。二期会筆頭にアマチュアが無謀にもやらかすのを除けば、来日公演ばかり。ま、あとは新国と藤原しかないしね。じゃぁ海外行けば観られるかと言うとそうでもない。やってないわけじゃないけど、ひょいと旅行に行ってうまく当たるというのはなかなか。
 ただ、記録としても、記憶としても、新日の定演でアルミンクが振ったことはあったし、東フィルでもチョン・ミュンフンが振ったのはある。ただ、まぁ、なんというか.......

 流石に満席です。トリスタンだからね。みんな大好きトリスタン。

 結論から言っておくと、取り敢えず「いい演奏」ではあったでしょう。色々条件付きではあるけれど。

 そもそも、歌手について言えば、トリスタンもイゾルデも今回代役なんですよね。トリスタンなんて2月に代役立ててるという。新国のサイトでは大野和士のコメントとして「今脂の乗ったヘルデンテノール」とか書いてますが、まぁ、経歴的には、ワーグナー歌いとは言わないでしょう。そもそもトリスタンはヘルデンテノール役なのか?というよりヘルデンテノールって何よ?とか、まぁツッコミどころ満載ですが、そういう歌手なのだから、そりゃまぁそういうものと思って聞くしかないわね。終演後にトリスタンにブーイングが出てましたが、まぁ、はっきり言って、それは野暮天というか下衆というか、多分ブーイングのしどころ間違ってますよ。

 言ってしまえば、今、そもそもワーグナーなんか上演するのは無謀なことだと思います。テノールで言えば、ルネ・コロ以降ワーグナーを歌うテノールなんて、皆ワンランクダウンくらいのイメージでしょう。勿論それはワーグナーに限らず、テノールに限らず、なのだけれども、たとえばここ10年くらいで割と聞く名前を挙げるにしても、ステファン・グールドとか、今回キャンセルになったトルステン・ケールとか、そういう人達が、ルネ・コロやそれ以前の人達に比肩するのかと言われると.......そりゃ私はバイロイト毎年綿密にチェックするようなことしないから、詳しい人に言わせりゃ色々あるのでしょうけれど、あまり変わり映えしない気はします。無謀というのは、そういうこと。だからやるなとは言わないんだけれども。
 正直言うと、今回の公演で相対的に一番良かったのは、マルケ王ではなかったかなーと。いや、うまくやってましたよ。ただ、マルケ王がいいからいい公演になるかと言われると......ブランゲーネだってたかが知れてるし。最近頓にそう言う傾向にあるのだけれど、個人的には歌手がどうとかこうとか言う気があまり起きないんですよね。正直グルベローヴァが薨去されてからもうどうでもいいかな、と思ってるきらいはあります。それもどうかと思うけどね。
 確かにトリスタンはかなりへろってました。へろってたけど、一応死ぬまでやってたし、そこまで悪様に言わんでも、と言う気はします。トルステン・ケールだって、そんなには変わらないと思うよ。多分。
 イゾルデも、ちょっとね。下手じゃないけど、安定感を欠くというか、限界だったというか。まぁ、しょうがないといえばしょうがない。

 個人的には、しかし、一番気になったのはオケ。冒頭に書きましたが、「いい演奏」なんだと思います。よく整った演奏。でもさぁ、言うけどね。「整ったトリスタン」って面白いのかね。
 歌手が力量不足で、安定感にも難ありという感じなので、オケが暴走すると歌手がついていけないのはわかります。その意味で、この「整った演奏」は間違いではない。ただ、正直言えば、そんなものを聞きたくて来てる訳ではないのよ。
 一言で言うと「色気がない」。これに尽きます。整ってますよ。でも、月並みな言い方だけれど、官能性という点では随一のポテンシャルを持つこのオペラの音楽で、綺麗に整った演奏で通されても、ちっとも面白くないのですよ。それは単に官能的かどうかだけでなく、例えば第3幕冒頭の導入部。ここでの低弦の重苦しく、絶望的な響きは、これもある種の官能性なのだと思うけれども、まぁサラリとしたものですよ。そのサラリとしたままに、最後の「愛の死」まで言ってしまう。爆発しない。カタルシスのかけらもない。予定調和の終わり。そんなものを聞く為に5時間も座ってる訳じゃないんだよ。CD聞いてるみたい。しかもうっかりするとCDの方がより官能的かも知れん、という.......
 オケの限界なのか。指揮者が悪いのか。歌手をサポートするとこうなってしまうのか。ただ、愛の死くらい、歌手いじめて、置いてけぼりにして爆発したっていいと思いますよ。破綻する?もう破綻してますよ、オペラとして。だったらやってみろ、と思うんだけど、ね。本意かどうかは知らず、久々に「公務員の音」を聞きましたよ。昔から都響(N響もそうだったけど)は公務員の音がする、なんて悪口言ってましたけど、今回は本当にそんな感じ。無難に、安全運転で、波風立てず。そんなオペラじゃないだろうよ、トリスタンっていうのはさ......

 もう嫌味にしか響かないと思いますが、整ったいい演奏、ではありますよ。でも、ねぇ。
 チョン・ミュンフンが振った東フィルのは、聞きに行ってるのではあるけれど、印象として記憶にあるのは、アルミンクが新日振った定期演奏会での演奏会形式のなのですが、まぁ、破綻してましたよ、確か。力不足。でも力不足なりに、破綻してるけど、もうちょっと音に色気はあったなぁ。

 演出は14年前のもの。当時とあまり印象は変わりません。無駄に出てくる若衆は鼻につくだけで品がないし、思わせぶりに象徴的なものをそれっぽく見せてみたりとか、でも結局意味なくて、読替えとか余計なこともしないけど、別に何か新しい発見があったりもしないし、物語を際立たせるでもないし、という。一言で言うと凡庸、というのが変わらぬ感想。まぁ、変なことするよりゃいいとは言えるけどもね。

 でもなぁ。いい演奏だと思って、かつこんなにある意味ガッカリ感があるのも珍しいというか......
 もう一度行く予定があるんだよ......どうするんだ.........せめて色気を出して、最後ははっちゃけるくらいがいいと思うんだけどなぁ.........





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最終更新日  2024年03月19日 02時22分59秒
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