『三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦』萬代 悠
三井大坂両替店 銀行業の先駆け、その技術と挑戦 (中公新書 2792) [ 萬代悠 ]価格:1,100円(税込、送料無料) (2024/5/17時点) 楽天で購入 元禄4年(1691)に三井高利が開設した三井大坂両替店は、いかにして栄え、日本初の民間銀行創業へと繋げたのか。三井の膨大な史料から信用調査の技術と法制度を利用した工夫を読み解き、新たな視点で金融史を捉え直す。 元禄4年(1691)に三井高利が開設した三井大坂両替店。当初の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして成長する。本書は、三井の膨大な史料から信用調査の技術と法制度を利用した工夫を読み解く。そこからは三井の経営手法のみならず、当時の社会風俗や人々の倫理観がみえてくる。三井はいかにして栄え、日本初の民間銀行創業へと繋げたか。新たな視点で金融史を捉え直す。 本書は、三井大阪両替店(大口融資専門銀行)が残していた江戸時代の信用調査記録を中心に当時の金融事情を解説した一冊。当時の法制、金融事情、組織・人事制度、社会情勢などの背景を広範ながら簡潔に説明し、金融史の視点から近世大坂の社会構造をも炙り出す内容は読みごたえがありました。【満足度】 ★★★★