テーマ:本のある暮らし(3238)
カテゴリ:ミステリー
ドラマは見ていないのですが、たまたま本屋さんにあったのが目に留まりました。 ![]() 正体 (光文社文庫) [ 染井為人 ] 読み終わった時涙が出て、親しい人を亡くしたような気持になりました。 2歳の幼児とその両親の一家3人を殺し死刑判決を受けた少年が脱獄した。 彼は転々と居場所を変えて、職を変えて、名前を変えて生き延びていた。 殺された夫の母親が同居していたが、押し入れに隠れた彼女だけ助かった。 一時娘の所に身を寄せていたが、グループホームに入所して暮らしていた。 彼女は認知症と思われ、物忘れが多く、事件の記憶をなくしていた。 逃亡中の少年は、中々見つからず、様々な場所で潜伏生活が続いていた。 発見されそうになると…上手に逃げ切り、また違う場所へと逃亡した。 逃亡先で一緒に働いたことのある人々は、皆一様にいい人だった、という。 彼が殺人犯だとは到底思えないし、思いやりのある優しい人だったとも言った。 次第に少年が何故そんな惨殺な事件を起こしたのか?人々は疑問を持ち出した。 工事現場、スキー場の旅館、新興宗教の説教会、グループホーム等で働く少年、 誰もが信じられない思いであったが…一人の弁護士が彼を助けようと立ち上がる。 それぞれの職場、きちんとした履歴書の必要のない劣悪の条件の職場でも文句を 言わず働く少年は、何故か分厚い法律書を持ち、人々の窮地を救うのだった。 転々と職場を変えて、犯人に似ていると疑われ、発見されそうになると逃げる。 まるで昔あったアメリカのテレビドラマ「逃亡者」を見ているようでした。 無罪なのに有罪、それも死刑判決を受けた少年の冤罪事件を扱った作品です。 「無実」を訴える少年、警察の在り方、最後の悲しい結末に涙を誘います。 正体 (光文社文庫) [ 染井為人 ] 染井為人さん:1983年千葉県生まれ、芸能プロダクションにで、マネジャーや舞台の プロディーサーを務める。2017年「悪い夏」で横溝正史ミステリー賞受賞デビュー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.17 06:28:25
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