無垢の木材で造作材を作る枠屋の日記

箱根駅伝往路をテレビで見ていました。
１区途中で順天堂が集団から最初に遅れたのを見て、去年も集団から最初に
遅れたのが順天堂だったのを思い出しましたが、今年は去年と違って
５区に今井選手がいないので、「これは大変そうだな」と思いながら
見ていました。
２区ではモグス選手が過去２年よりもゆっくりとしたペースで走り始めた
のを見て、「過去の経験が生きているな」と感じました。区間新記録は
御見事でしたが、来年も２区を走ってほしいと思います。本人は５区も
走ってみたいと言っていましたが、２区でモグスがトップに立つのが
山梨学院大学にとってシードを取る必須条件だと思いますので。
中央学院大学の木原選手も見事でした。ブレのないフォームは見ていて
気持ちがいいですね。本人は１時間７分台でも「後半弱気になってしまった」
というコメントを出していますが、伊達選手に区間順位で勝ち、日本人では
区間トップだったのですから立派だと思います。
伊達選手も４年間の中で一番いい走りでしたね。駒澤大学の宇賀地選手を
抜いたのはさすがでした。
結局、東海大学が駒澤大学よりも前で中継したのは、戸塚中継所だけでした。

２区では各校の選手がいい走りをしていましたが、逆に３区は良くなかった
ですね。山梨学院大学が１位、駒澤大学が５位、中央大学が７位、
早稲田大学が１２位で戸塚中継所を通過したので、高林選手、上野選手、
竹澤選手の３人のうち誰かが平塚中継所ではトップまで来るかなと
期待していたのですが、高林選手が区間７位と伸びず、上野選手は発熱も
あり区間２位、そして竹澤選手は痛み止め注射を発走２０分前に打っての
走りだったそうで、区間賞をとったとはいえ、本調子にはほど遠い走りでした。
「何とかゴールできました」という本人のコメントから考えると、
３区を走るのは危険な賭けだったようですね。遊行寺の急な下り坂で脚に
負担がかかる３区を選んだのは意外でしたが、２区での出遅れを３区で
取り戻したいという戦略だったのでしょう。危険な賭けでしたが、
結果的には成功しました。
４区での国士舘大学の区間賞は意外でした。失礼ながら、ビリを走っていた
ランナーの区間賞なんて、見たことも聞いたこともありません（笑）。
しかも、一人も抜かない区間賞というのも（先頭でない限り）滅多にありません。
でも、国士舘大学は５区で７人抜いて１３位になったのですから
区間賞の価値は十二分にありました。
５区では早稲田の駒野主将が見事な走りで区間賞。昨年の経験が生きましたし、
駒澤の安西主将を抜いての区間賞だけに価値があります。あの今井選手の
記録とほとんど変わらないというのですから素晴らしいの一語に尽きます。
早稲田の渡辺監督は山の経験がないため、山に関しては相楽コーチに任せて
いるそうですが、箱根を制するには山対策だという考え方のもと、実行に
移した渡辺監督の手腕は大いに評価できます。

駒澤大学の安西主将も見事な走りでした。本人は駒野選手においていかれた
のが不満なようですが、５区で８０分を切るのはすばらしい記録です。
総合優勝の立役者と言ってもいいでしょう。

逆に、危険な賭けに失敗したのが順天堂大学でした。１区が最下位だった
だけでなく、２区、３区、４区も区間２ケタ順位で小田原中継所では
１８位で中継。小野選手は遅れを取り戻そうとオーバーペースで入った
のでしょう。松岡主将の復路欠場も知っていたでしょうし、
「自分が順位を上げなくては」という気持ちがすごく強かったと想像します。
ハイペースでの突っ込みは危険な賭けでした。
その結果、小涌園前までは区間３位だったのですが、元箱根では
区間１４位まで落ちていました。故障で練習不足だったところへ
オーバーペースでの突っ込みと悪条件が重なり、結局、途中棄権と
なってしまいましたが、あの時、水でなく、お湯（ぬるま湯でしょうね）
を飲んでいればゴールまで走れたかもしれません。
というのは、順天堂大学の沢木総監督が
「足にかけるのは水だが、飲ませるのはお湯」と言ったそうです。
私も初めて知りました。来年から、順天堂大学の運営管理車には
お湯を常備しておくようになるでしょう。来年こそは途中棄権のない
箱根駅伝にしてほしいと思います。