全国高校駅伝、佐久長聖高校初優勝おめでとうございます。
今年の男子高校駅伝は、見ていて面白かったです。戦前の予想では、佐久長聖高校有利と見られていました。鴻巣ナイター陸上で佐久長聖高校の選手の走りを直接見た私も仙台育英よりも佐久長聖のほうが強いなと予想していました。見ていて面白かった一番の理由は、留学生が1区に出られなくなったために、3区に仙台育英のポール・クイラ選手、4区に世羅のビタン・カロキ選手が登場したことでしょう。どちらも区間賞をとりましたが、もし、1区にクイラ選手とカロキ選手が登場していたら全く違う高校駅伝になっていたでしょうね。今年の1区は留学生がいないだけでなく、佐久長聖の村澤選手が3区に、青森山田の田村選手が5区に回ったためにスローペースで進みました。7キロすぎからのスパート合戦の結果、仙台育英の上野選手が区間賞をとりましたが、上野選手としてはもっと佐久長聖の千葉選手を離しておきたかったでしょう。2秒差しかつかなかったことが後々大きく影響しました。それでも、仙台育英は2区でもなんとか首位を守り、3区のポール・クイラ選手で独走態勢に持ち込みました。ポール・クイラ選手とすれば、佐久長聖の村澤選手をもっと離したかったでしょうが、村澤選手が3区の日本人過去最高タイムで走ったために思ったほどの差がつきませんでした。佐久長聖としては1区と3区の区間配置が狙い通りの効果をあげました。エースを1区から外すのは勇気がいることですが、結果を出した千葉選手、村澤選手ともに見事な走りでした。4区に入ると、世羅高校のカロキ選手が区間新記録の走りで6位から2位まで浮上、先頭まで7秒差に迫ります。仙台育英の斉藤選手がラスト1kmで必死に逃げてなんとか先頭を守る姿が印象的でした。5,6,7区は佐久長聖高校が区間賞をとって圧勝。5,6,7区だけで2分以上の差をつけました。6区佐々木選手の区間新記録は、15年前に西脇工業の木庭選手がつくった記録を破ったものだけに価値があります。当時の木庭選手の記録は別格扱い(留学生を除けば、一番高校生離れした記録でした)だったので、6区の区間記録が更新されたことは高校駅伝を長年見ている人にとってはかなり大きな出来事です。終わってみれば佐久長聖高校の圧勝。2時間2分18秒を日本人だけで出したことはなんとも素晴らしいの一言です。佐久長聖高校の選手のフォームはみなよく似ていますが、あのフォームに速く走れる理由があるのでしょうか。佐久長聖高校にとっては念願の初優勝ですし昨年の0秒差負けを思うと万感の想いがあるでしょう。本当におめでとうございます。毎年、佐久長聖高校の選手は鴻巣ナイターに来てくれるので、来年も来てくれることを期待しています。