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本当に幸福な世を願うなら
政治・経済・衣食住― 外的構造の変化だけでは足りぬのだ!! 本当に必要なのは 一人びとりの内的刷新だ 日常にかまけておらず 目を見開き己の欲を野放しにせぬことだ (ハルシャ王) 今回紹介するのは、小学館から発刊されている 諏訪緑さんの「玄奘西域記」です。 西遊記でおなじみの三蔵法師こと玄奘三蔵。 三蔵法師とは、仏教の経蔵・律蔵・論蔵の三つに精通した僧侶(法師)のことで、 玄奘さんでなくても条件を満たしているなら三蔵法師になるそうです。 その玄奘が天竺(インド)へ取経へ向かう旅を描いたのがこの作品。 とはいえ、西遊記でおなじみのお供の三人は登場しません。 玄奘は兄の通訳と護衛を兼ねて唐を出発するのです。 史実を元にして諏訪さんの独自の解釈と、 オリジナルの設定がふんだんに盛り込まれた作品になっています 玄奘自身のキャラクターも西遊記のような 以下にも徳の高そうなイメージではなく、 (代わりに兄がそういう描かれ方になっています(笑)) 天然の入った武闘派(でも見た目は優男(^^;;)として描かれています。 西遊記のお供の三人こそ出てこないものの、 諏訪さんの解釈による、それを匂わせる登場人物たちも登場します。 文庫版は全2巻と巻数こそ少ないものの、 内容は当時の国や時代背景、文化、歴史、人々、 そして一番の要となる宗教・哲学を 決して堅苦しくなく読みやすく詰め込んでいます。 さらっとストーリーをたどるだけでも十分に面白いのですが、 中身が濃いので、じっくり読むこともできる読み応えのある作品です。 絵柄も一見少女漫画風とはいえ、 男性でも抵抗なく読めるほどの癖のなさで、 ライトな感じでとても読みやすいのが魅力です。 ただ、非常に残念な点がいくつかあります。 私はコミックスではなく、文庫版で購入したのですが、 今年の一月に第二刷が9年ぶりに増刷されたばかりとはいうものの、 マイナーであるため、なかなか手に入りにくいのが一つ。 (私は楽天で買えましたが、 その後確認してみると、楽天からは文庫版はなくなってました…。 コミックスはすでに絶版です。) もう一つは時折注釈があるのですが、 文庫版ではその注釈がページとページの折込のところに書かれていて、 折込を広げないと読めない(一部は開いてもまだ見えない…) のが残念でした。 コミックスだと読めるのかなぁ…。 ただ、作品自体はすごくすばらしいので、 おすすめしたい作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年03月16日 20時34分36秒
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