チリで火山が噴火、周辺住民3600人が避難
AFP BB NEWS 2015年03月04日(水)06時55分の配信です。チリで火山が噴火、周辺住民3600人が避難 噴火したチリのビジャリカ山(2015年3月3日撮影)。(c)AFP/ATONCHILE/CARLOS ROCUANT【3月4日 AFP】チリ南部の火山ビジャリカ(Villarrica)山が3日未明に噴火し、溶岩を夜空に噴き上げた。これに伴い、周辺住民ら約3600人が避難を余儀なくされた。 ・・・続きはこちらから私見です。太平洋を挟んで対岸に位置する国チリは、日本と同じ火山大国です。カリフォルニアや、千島列島など太平洋を大きく取り巻いています環太平洋造山帯に属します。チリには活火山が500山あると言われていて、地震も頻発しています。日本とチリの距離は約1万7千キロメートルあり赤道の長さが約4万キロメートルですので、地球の反対側といってもいいでしょう。これだけ離れていても、日本とチリは地政学上密接な関係にあります。太平洋を挟んでいるが為の皮肉な関係ともいえます。2011年(平成23年)3月11日(金)14時46分18.1秒日本の太平洋三陸沖を震源として東日本大震災が発生しました。この地震のマグニチュードは9.0近年では5指に入る大地震でした。この時の地震による津波は1万7千キロメートル離れた太平洋の対岸チリのタルマワノ観測所で2メートルの高さを観測しました。チリまでの到達時間は約24時間でした。チリ沿岸に打ちつけた津波はそのまま折り返し、日本に戻って来ます。47~48時間後津波の反射波が日本に戻ってきて小名浜、尾鷲、串本の各検潮所では、30~60センチメートルの津波が観測されました。マグニチュード8.0以上の地震を巨大地震と表現し9.0以上を超巨大地震と呼ぶことがあります。学術用語ではないのですが、日本地震学会の発表や各種教科書・論文でもしばしば使われマスメディアが積極的に表現しています。20世紀以降では、1952年カムチャッカ地震Mw9.0、1960年チリ地震Mw9.5、1964年アラスカ地震Mw9.2、2004年スマトラ島沖地震Mw9.3、2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)Mw9.0、この114年間にMw9.0以上の地震は5回しか発生していず、その全てが環太平洋もしくはその周辺でした。1960年のチリ地震はその中でも有史以来最大級の地震でした。地震の規模は、長さ約1,000km・幅200kmの領域を震源域として発生した連動型による超巨大地震で、東日本大震災も日本で初めての連動型の地震でした。チリ地震では、日本の三陸沖や北海道の太平洋沿岸で津波により大きな被害を出しています。死者行方不明142名、負傷者855名、建物被害46000棟、罹災者147,898名、罹災世帯31,120世帯、舶被害2428隻、木材流失19,290件、道路損壊45カ所、橋梁流失14カ所、堤防決壊34カ所に上りました。チリでは、ビジャリカ山が活火山で15年前にも噴火したにも関わらず観光地としてにぎわい、半径5キロメートル以内に居住者もいますし学校もあります。その人気と有名度は、チリの富士山と言った所でしょうか。AFPの写真は長時間露出で撮った様で、星の軌跡が綺麗に日周運動をしているのが写っています。(噴火の溶岩に、雷の発光、星の軌跡と芸術的な写真です。)ビジャリカ山の山中には雪が残っています。溶け出しますと裾野では洪水の心配も出て来ます。地震大国のチリはビジャリカ山の火山活動後の避難勧告などとても迅速で流石、地震と火山の噴火の教訓が生かされています。日本は、果たしてどうなのでしょうか・・・ヒゲでした