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カテゴリ:宮部みゆき作品
TBSテレビ系で12月3日(月)放送の「宮部みゆきミステリー 『パーフェクト・ブルー』」第9話は、フェアプレイの精神が尊ばれるはずの高校野球で、手段を選ばぬ醜い工作が行なわれている様子が描かれています。
鶴和高校の投球練習用打者人形が盗まれ燃やされる事件が起こります。その直後、BAR「ラ・シーナ」のアルバイト・諸岡進也(中川大志)の母の諸岡久子(菊池麻衣子)が、蓮見探偵事務所に調査依頼に来ます。彼女の話によると、進也の兄の克彦(野村周平)は鶴和高校のエースなんですが、彼に「甲子園に出るな。おまえが炎に焼かれることになる」との脅迫文が送られてきたとのことです。諸岡久子としては、こんな脅迫事件が警察に知られるとスキャンダルとして騒がれ、甲子園の出場停止を言い渡されてしまう可能性もあるのではないかと非常に心配し、極秘に打者人形焼却事件の犯人を探して欲しいというのです。 諸岡久子が蓮見探偵事務所に調査依頼に訪れた同時期に、BAR「ラ・シーナ」でアルバイトをしていた諸岡進也が失踪していました。それで加代子(瀧本美織)たちは「ラ・シーナ」のマスター椎名悠介(寺脇康文)から諸岡家の複雑な家庭事情を聞くことになります。諸岡家の兄の克彦は野球の優れた投手として親からも期待されているのに、特にこれといった才能のない弟の進也への親の関心は薄く、そんなことから非行に走ったこともあったというのです。 加代子たちが打者人形焼却事件の犯人を探しているとき、妹の糸子(高橋春織)から進也が克彦から金を受け取っている姿を目撃したという情報を得ます。さらに加代子が克彦が通う鶴和高校で調査中に、なんと進也らしき人物が野球部の部室近くで見咎められ、逃げ出す姿を加代子自身が目撃します。諸岡進也が兄の野球活動を妬んだり恐喝したりしているのでしょうか……。 しかし、加代子は進也から意外な事実を聞かされます。球練習用打者人形を盗んで焼却し、諸岡克彦を脅迫していた人物は、3ヵ月前に鶴和高校野球部を退部し高校も中退していた山瀬浩(黒木辰哉)という克彦の親友だというのです。彼も投手として甲子園を目指していましたが、交通事故による手足の痺れから鶴和高校を去っており、妬みからでしょうか、親友の諸岡克彦に対する卑劣な脅迫行為を始めたのだと言うのです。しかし山瀬浩の病んだ心を利用してスキャンダル事件を引き起こそうとする黒幕がいるようです。 私は、今回の鶴和高校で起こった事件が「パーフェクトブルー」の謎と直接関連があるのかと大いに期待して見ていたのですが、それは違ったようでした。しかし、この事件の解決後、蓮見杏子(財前直見)が「ラ・シーナ」のマスター椎名悠介と宗田八重子(奥貫薫)の家を訪れ、8年前に夫の蓮見浩一郎(なんと船越船越英一郎)が新聞記者として宗田八重子の息子の淳一が肝臓疾患のために川澄病院で治療を受けた時に不審死したことについて取材に来ていたことを伝えられます。そして「パーフェクトブルー」という言葉をフリーライターの結城雅之という人物が淳一のために焼香に来たときに口に出していたことも教えてくれます。この結城雅之という人物は淳一たちが使っていた野球場のグランドキーパーをしてくれたそうです。さらに淳一が加わっていた少年野球チームには諸岡克彦や彼の同級生の山瀬浩たちがいたことも知ることになります。このドラマは後2回で終りを迎えるようですが、「パーフェクトブルー」の謎の全貌がいよいよ解明されそうですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年12月04日 17時58分34秒
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