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カテゴリ:やまももの創作短編
附高への内部進学と昼休みのぼっち状態n
春の昼独りぼっちの悲哀知る 昼下がり生徒が独り藤棚の下 私は内川雅人くんを主人公とした短篇小説を書いていて、つい最近まで彼の附属生活時代を小学校時代と中高時代とに大きく分けて考え語って来ました。しかし、筆を進めていて、いやキーボードを打ち進めていると、中高時代が彼にとって全く同質のものではないことに気が付きました。 附属中学校のときは昼休み時間に語らい遊ぶ友だちが数人いました。浅野くん、吉良くん、大石くん、堀部くんなど三角ベースでゴムボールを打ったりして遊んだ仲間がいつも数人いたものでした。 しかし雅人くんが附属中に在学していた頃、同附属中から同附属高へ内部進学する中3の時点で約40名が外部進学生と入れ替わるための試験がありまし。このことの弊害について当時の同校附属学校長の杉峰英憲は以下のように指摘していました。 「中學校3年生の時點で學級集団のまとまりや人間性豊かな仲間づくりは、競争の寄る辺なき敗者への不安によって非常に困難なものとなったのである。 」(同附属中等学校研究紀要第41集) 浅野くん、吉良くんたちは附属高校への内部進学が不合格となり、大石くん、堀部くんとは別々のクラスに分かれ、内川雅人くんは昼休み時間を教室で独りぼっちで淋しく食事する悲哀を初めて味わうことになりました。 ネットで「昼休み 時間 ひとりぼっち」で検索を掛けると、昼休み時間に於ける「ぼっち」状態での苦痛が予想以上に書き込まれ、「今日初めて教室で一人でパンの袋を開けたとき屈辱、絶望、悲哀等々様々な感情が溢れ出ました」と言ったことが書いてありました。 雅人くんも昼休み時間に教室で独りぼっちで食事することが耐え難くなり、いつの間にか昼休み時間に学校を抜け出し、食事も摂らずに学校の周辺を歩き廻るようになりました。学校の近くの藤棚の下で所在無く時間を過ごすこともありました。 学校の近くの民家の人のなかには、昼下がりになると家の周辺を浮浪する怪しげな高校生の姿に不審を覚えた人もいたことでしょう。 そんな雅人くんは二年生になると、学校をお昼からそのままエスケープし、昼食代としてもらったお金を貯めて大阪まで行き、映画を観たり古書店で美術書を購入するようになりました。雅人くんの不登校時代が本格的に始まり掛けたのですが、雅人くんはすぐにそんな不登校状態に不安と焦りを感じる様になりました。 おっとここは進入禁止。進路もずっと決まらないままでいたのですが、そのことが彼にとって一番の問題だと気付き、現在の学力から判断して一年浪人する覚悟で進学先も決めました。そして三年生からは真面目に附属高校に通学するようになりましたとさ、めでたしめでたし。 川柳 ぼっちから不登校へはキープオフ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年05月05日 01時51分02秒
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