テーマ:☆詩を書きましょう☆(8365)
カテゴリ:詩
子ども心に傷ついた日
私が小学3年の時戦争は始った ある日 天皇の写真が載った新聞を踏んだ 「そんなことすると罰が当たるよ」 「どうして?」 「天皇は現人神だから」 「天皇だってご飯食べるんでしょ 神様じゃない」 「そんなこと言うとお巡りさんに連れて行かれるよ」 私の口は慌てた母の手で覆われた
一月一日は年の初めの祝日で学校で式を挙げた 親元にいるときは新しい一張羅で出かけた 疎開先の叔父の家に新しい服などある筈もないのに 「新しい服が欲しい」と大声で泣く私 溜まっていたものが堰を切って流れ出た 「ごめんね これを着てお行き」 叔母はお召しで作った自分のもんぺを差し出した 「叔母さんが悪いんじゃない 悪いのは戦争だ」 叔母は慌てて泣きじゃくる私の口を塞いだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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