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昨日の雨が嘘のように真夏日が・・・暑い・・・何をするにも億劫だが・・・。 目が疲れるので目医者へ行って検査を・・・眼圧も良いようで・・・大切に使えと言うことか・・・。目がしょぼしょぼして自然に瞑ってしまうが・・・。 そんなわけで今日も「砂漠の燈台」は書けなかった・・・。ので、ただいま連載中の「天使の赤褌」を最初からアップをしますことお許しを・・・。 天使の赤褌 1 気だるい音楽が茶店の薄暗い照明の中に溶け込んでいた。テーブルの上にはハンドボールの球のような照明がシューガーの入った白磁の壺を冷たく照らしていた。グリンの硝子の灰皿には押し潰された煙草が数本うずくまっていた。そのどれにもピンクの口紅が吸い口に付着していた。髪を肩まで垂らした少女が、薬でも飲んだように全身を弛緩させて座っていた。真っ赤なワンピースの裾が彼女の組んだ足の分だけ開き、そこから赤いストッキングの太腿が妖しく見えていた。その足はまだ少女の幼さを残していた。が、顔の表情は巧みにその少女の面影を隠すように厚く化粧で覆われていた。爪にはピンクのマニキュアが丁寧に塗られていた。その手に科を作って、ときたまコーヒーカップを持ち口に運ぶ仕種は娼婦のように見え、左手の指に挟んだ煙草から立ち昇る煙にも、何処か崩れた雰囲気を醸し出していた。女はみんな娼婦だと言った言葉があったが・・・。 「どうです、あの娘に興味がありますか?」 マスターが中年の男に声を掛けた。さっきから男はじっとその少女に視線を張り付けていたからだった。声を掛けられた男が黙ったままでいると、 「最近、あの手の女が増えましてね。最初は電話の前に座って黙ってコーヒーを飲んでいたんですが、お客さまの邪魔になるしあのボックスを貸したんですよ。本人は十八だと言っていますがね、まだ、十六で、高校を中退したらしいんですよ。今の学校はどうなっているんでしょうかね。最近は入ったけれどすぐに辞める子が多いんですってね。それはまあ色々有るらしいですけどね。私等には判りませんが。ああやって、一日中座っている時がありますよ。どう言えばいいんでしょうか、私など、中学を出てすぐにこの世界に足を入れて、殴られけとばされてコーヒーの淹れ方やら、挨拶の仕方やら、掃除のやり方やら、洗い方をとことん仕込まれましたが、今じゃ、そんなことを言うと、口うるさいってすぐに辞めていきますよ。それに、まあ、ボーイフレンドと言うのが五六人は詰め掛けてきて、結局、ボックスは占領されるし商売はあがったりです。そんな溜り場になっては、他のお客さんはもう寄り付きませんしね。だから、うちでは、家内と二人でやっているんですよ。その方が疲れません。大根足の女ですが、愛想は良いほうですから、なんとかかんとかやっていますよ」 マスターは一頻り喋って、注文のコーヒーを馴れた手付きで淹れた。アベックの客が窓際のボックスに座っていた。 「まだ、あのように突っ張っている子の方がいいのかも知れませんよ。近ごろは楚楚した女の子ほど判りませんからね。この間も、『おじさん、遊ばない安くしとくわよ』と粉かけてきましたよ。見ると髪を三つ組に垂らした純情そうな感じの娘でしてね、多少その気にもなりましたが、私もこの道でおまんまを食っている男ですからね。一目見れば心の底まで見えますからね。そんなに金が欲しいんですかね。自分を汚すことなんか何とも思ってはいないんですかね。どんな家庭の子なんですかね。・・・あの娘はれっきとした家の子でしてね。あんな恰好はしていても純なものですよ。意外と堅いですよ。ああやって声の掛かるのを待っていますが、一度もついて行った事がありませんよ。私の知るかぎりは。ああやって、何かを待って言うのが、あの子の青春なのでしょうかね。何を待って言うでもなく待っている。今時、流行ませんがね。これはって、思うと猛然とアタックをしていますよ。それが今日的とでも言うんでしょうかね。この頃の女の子はなんせ積極的になりましたから」 マスターの言葉は途絶え様になかった。時折視線をボックスの女の子にチラチラと投げていた。手はダスターでグラスを拭いていた。鼻の下に髭を蓄えていたが、それが半分白くなっていた。少し大きめの瞳は垂れていて穏やかな輝きがあった。唇は上下が厚く人の善さそうな感じがした。 男は、この店の常連と言うほどではなかった。散歩に出てこの店の前を通り、コーヒーの香りに誘われて入ったのが一か月ほど前であった。それから、散歩に出るとここに寄っていた。コーヒーはこの辺りでは旨いほうであった。少し香ばしい匂いが口に残るのがここの特徴であることに気付いたのは二日目であった。入るといつもカウンターに向かった。そして、静かにコーヒーを楽しんだ。こうしてマスターに声を掛けられたのも今日が初めてであった。男は決まった職業を持ってはいなかった。と言うより、家で頼まれた原稿を書いたり、これも頼まれて講演に出掛けるくらいの仕事しかしていなかった。自由業と言うのが男の職目であった。 5-6回続きますが・・・これをアップしている間に「砂漠の燈台」執筆しますので・・・。 皆様御元気で・・・ご自愛を・・・ありがとうございました・・・。 恵 香乙著 「奏でる時に」 あいつは加奈子を抱いた。この日から加奈子は自分で作った水槽の中で孤独な魚と化した。 山口小夜著 「ワンダフル ワールド」 1982年、まだ美しかった横浜―風変わりなおんぼろ塾で、あたしたちは出会った。ロケット花火で不良どもに戦いを挑み、路地裏を全力疾走で駆け抜ける!それぞれが悩みや秘密を抱えながらも、あの頃、世界は輝いていた。大人へと押しあげられてしまったすべての人へ捧げる、あなたも知っている“あの頃”の物語。 作者のブログです・・・出版したあとも精力的に書き進めています・・・一度覗いてみてはと・・・。 恵 香乙さん 山口小夜子さん 環境問題・環境保護を考えよう~このサイトについて~ 別の角度から環境問題を・・・。 らくちんランプ K.t1579の雑記帳さん ちぎれ雲さん 2年連続で楽天市場「ベスト店長賞」を受賞した著者が、確実に成果を出し、お金を稼ぐための文章術を教える。読ませる力が儲けを生む! 【問題】あなたがあるお店の店長だとして、次の文章をメッセージが確実にお客様に伝わるように書き直してください。 『気さくなスタッフ達が、笑顔でお客様がお越し下さることをお待ちしております』 答えは後ほど。これを「頭がいいなあ」という文章に変えられれば、お客様がより多く集められ、稼ぎを生み出せるのです。 本書で言う「頭がいい文章」とは、お金を生み出してくれる文章のことです。思わず買いたくなるコピー、読みたくなる企画書、返事をしたくなるメールをさりげなく書く技術を伝授します。 「お前、頭が悪いだろ」と職場の上司に罵倒されたところからはじまり、処世術として「頭をよく見せる文章術」を身につけ、いまや文章指導をも生業とする著者が、仕事で確実に結果を出す“稼ぐ書き方”を教えます。 冒頭の問題の解答例は『スタッフが笑顔でお待ちしております』です。短く、簡単に、分かりやすく、それが稼ぐ書き方への第一歩です! 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 思わず買いたくなるコピー、読みたくなる企画書、返事をしたくなるメールがさりげなく書ける。 【目次】(「BOOK」データベースより) 第1章 「頭がいいと思わせる文章」が書ければ、どれだけ得か?/第2章 文章が上手い人なんて100人に1人ぐらい/第3章 頭が良くみえる文章テクニック/第4章 お客様がお金を出したがる文章には必ず法則がある/第5章 ブログやメールマガジンで賢そうな文章を書く方法/第6章 相手が気持ちよく働いてくれる「メール文章術」/第7章 社長や上司から絶対に好かれる「社内キラー文章術」/第8章 作文を書かせれば、頭が良いか悪いかすぐに分かる/第9章 3ヶ月で「頭がいいと思わせる文章」を書く! 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 竹内謙礼(タケウチケンレイ) 中小企業の販促戦略、人材教育等を行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行なう。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において準グランプリを受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育の他、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として多くの中小企業経営者に対してのキャッチコピーや広告等の戦略指導を積極的に行う。第41回『千葉文学賞』(千葉日報社主催)、第12回『香・大賞』(松栄堂主催)、『わが子に贈るお話』(婦人生活社主催)のエッセイや文学賞の入賞経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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