カテゴリ:投資戦略の比較検討
先日、某成長株の減益発表による株価の暴落を経験して以降、下値の限られている割安な銘柄に投資をする方が安全なのではなかろうかという考えるようになりました。一日でマイナス20%なんて値動きは心臓に悪いですものね。
そこで魅力を感じたのが、PBRが低く、現金資産をたくさん持っている株式に投資をするというスタンスです。資産の裏づけがある株式はその資産価値以上に売られる可能性は低く、値動きも安定したものになると考えられるからです。 こういった考え方を世に広めたのは「ベンジャミン・グレアム」というエライ人であり、俗にいう「バリュー投資」の父と言われているみたいです。 さて、探してみるとちょうど「簿価に対し時価が低く、現金資産をたくさん保有する銘柄に投資をする」という方針で運用されている投資信託があったので、市場平均であるTOPIXとの比較により検証してみたいと思います。 ちなみにその投信とは「日興キャッシュリッチ・ファンド」というものです。 とてもキャッシュがリッチな感じのする、ストレートなネーミングですね。男らしいです。 http://www.nikkoam.com/products/detail/352438/report ■日興キャッシュリッチ・ファンドの成績 まず、表1の比較表を見てください。TOPIXに対して、月次リターンベースで平均0.19%、単純に年率換算して2.28%/年もの超過収益を叩き出していたことが分かります。 ( ゚∀゚) 付け加えなければならないのは、この成績は「信託報酬」を差し引いた数字であるという点です。ファンドの信託報酬は1.9635%/年であるので、信託報酬がゼロならばTOPIXに対する超過収益は年率4%を超えていた計算になります。 ( ゚∀゚) ( ゚∀゚) しかも、TOPIXよりも高いリターンを上げていながら、リスク(標準偏差)はTOPIXよりも低いという実績が出ています。結果として、投資を評価する指標のひとつである「シャープレシオ」を比較すると、ファンドのほうが明らかに優秀という結果が出ています。(それでもマイナスなのが、日本株の悲しさなのでしょうが) ∩ ∩ 日興! ( ゚∀゚)彡 ( ゚∀゚)彡 日興! ⊂彡 ⊂彡 次に表2を見てください。これはファンドの運用報告書から、マザーファンドの組み入れ銘柄ベスト5を抜粋したものです。表1のような優れた投資結果はどのような銘柄を選択することで達成されたのでしょうか? 組み入れ金額第1位は「未来工業 (7931)」というマイナーな銘柄でした。この企業は、10月末時点の株価744円に対し、直近決算から計算した一株当たり現金等は756円となり、企業の保有している現金以上に売り込まれているスーパー割安株のようです。この企業は赤字企業などではなく、毎年28円の配当金を出しており、08年度の営業利益率は10%を超えており、しかもリーマンショック後の09年にも黒字を確保していた企業であるというから驚きです。 組み入れ金額第3位の「大阪製鐵 (5449)」も似たような銘柄です。新日鉄グループのキャッシュマネジメントシステムに対して600億円強の預け金を持ち、これを考慮に入れると一株あたりの現預金等は1,300円を超える計算になり、株価を一割近く上回ります。市場は、新日鉄グループにおける中核電炉メーカーであり、毎年数十億円の純利益を稼ぐ企業の持つ固定資産や在庫・投資有価証券にマイナス評価をつけているようです。流石にこれはミスプライスな気がします。 以上の通り、PBRが低く、現金をたくさん保有している企業に投資することは良い成績をもたらす可能性があるということが分かりました。今後も日経平均が下落するようなら、こういった銘柄を購入してみたいと思います。 ■ ■ ■ よくよく自分の保有銘柄を調べてみたら、保有している現預金とほぼ同額まで売り込まれている銘柄を発見しました。「日本医療事務センター (9652)」です。10月末の株価は301円ですが、第1四半期決算をもとに計算すると一株当たり290円ほどの現預金を持っているキャッシュリッチ企業だったみたいです。 ・・・・・ ・・・・・ファンドマネージャーさん、ちょっと1万株ほど買ってくれませんかね? ・・・・・あ、やっぱ福祉系はアウトですか・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.10.31 23:14:17
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