能力は絶対値、でも評価は相対的
高校受験や大学受験のころから、いわゆる人の評価とういものに「偏差値」というものが用いられている。それが転じて、学校の評価につながっている。学校が偏差値順に並べられているのだ。言い換えれば、合格した受験生が格付けされている偏差値の最低値もしくは平均値が、その学校の評価ということになるのであろう。 さて、能力というものは相対評価されがちだが、本来は絶対的なものなのだろうと思う。できる、できないという二択となることも多いし、やったことがある、未経験も二択。でも、その能力を持つ人は、絶対的な能力を評価されるのではなく、相対的に評価されるということを60年以上生きてきて身に染みて実感した。具体的には、定年退職後に個人事業主として働いた期間と、失業給付でブラブラしていた期間を経て、再就職したわけですが、普通に勤務しているだけで、素晴らしい評価をいただけている。その事実に、実はびっくりしている次第。 定年退職後なので、フルタイムで働きたくないとの希望から、週4日勤務できるところを選択して就職、当然のことながら、身分は非正規の嘱託だ。したがって正規職員から指示を受ける立場なのですが、どうやら、ものすごく高い評価をいただけてるようで、かつ、職制を通じて上位層まで評価が伝わっているようです。 その状況を鑑みると、今いる職場に集う人々のいわゆる「偏差値」が低いんだろうと理解したし次第。現役時代、出身学校で能力を図ることはどうなんだろうと疑問に思うこともありましたが、確かに偏差値の高い学校ほど基礎的な学力、知識レベルが高く、学校の勉強の習得度を表す指標としては十分に役立っていることは理解していたつもり。でも、ある一定以上の偏差値を持った集団の職場しか従業員として経験したことがなかったので、レベルダウンした職場というものの中に身を置くと、自分自身の絶対的な能力が変わらなくても、評価は劇的に変わるんだと実感した。