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「クローン人間をつくることの是非について」
〇人間が生命誕生に関与することは間違っている。 〇クローンとして造られた人間の人権はどうなるのか。そもそもクローンは「人間」と認定されるのか。 〇クローンとして造られた人間が、臓器提供の材料、兵士になることはないのか。 〇何のためにクローンをつくるのか。その目的は倫理的に正しいと言えるのか。 〇この世界は、「人は個人として存在し、かけがえのない存在である」という合意のもとにあらゆる制度、法体系が設計されているが、その根本を揺るがすことにつながらないか。
是とする考え方は、以上の考え方に対して有効な反論とならなければなりません。
数年前に、アメリカで、或夫婦が子どもを産む選択をしました。その理由はすでに彼らの間に誕生している男の子が重篤な腎臓病を患っており、その子を救うためには拒否反応が起きることのない腎臓が一つ必要であるからです。つまり、新しく誕生する弟あるいは妹は、兄に対して自分の腎臓の片方を提供するために誕生するわけです。この一件を君たちはどう思いますか?もちろん腎臓は片方だけでも機能はしますが。 また、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏の『私を離さないで』は、他人に臓器提供をするためにこの世に生まれてきたクローン人間たちの運命を描いたものでした。 かなり以前に問題と配点を公表したのは、「クローン人間の製作について今どんな議論があるか」を調べてほしかったからです。 残念なことに、「是」とする意見には、「非」とする意見の論拠を突き崩すような新しい視点は見つかりませんでした。その点で、「是」とする立場を選択した人は高いハードルに挑戦したことになります。 倫理的問題、法的、制度的な問題点は依然としてクリアできていません。 人間の本質を「考える事」「自意識を持つ事」と定義すれば、そのような存在(ロボット、AI、アンドロイド、クローン人間)は、いずれ、「私は何のために生まれてきたのか」「私は本当に大切にされているのか」という問いを発することになるでしょう。歴史上では、ローマの奴隷がそうであり、南北アメリカの黒人奴隷がそうであり、フランス革命の際の第三身分の人々がそうでした。 ただ、「非」とする立場の人がそれだけで満点(10点)であるわけではありません。様々な問題に目を配れているか、複数の例を挙げることができているか、文章が論理的に組み立てられているかが採点の対象になっています。 今回のような「問」は、また作ってみたいと思います。もちろん、十分な余裕を君たちに与えたうえでのことですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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