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加賀乙彦さんが亡くなっていた。 「宣告」などの小説で知られる作家で精神科医の加賀乙彦(かが・おとひこ、本名小木貞孝=こぎ・さだたか)さんが12日、老衰のため死去したことが17日分かった。93歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。 陸軍幼年学校在学中に敗戦を迎え、戦後、東京大医学部を卒業。東京拘置所医務部技官などを経て、1967年に「フランドルの冬」を刊行した。 死刑囚の心理を描き、信仰と人間の救済を見つめた「宣告」で日本文学大賞、「帰らざる夏」で谷崎潤一郎賞、自伝的な大河小説「永遠の都」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。日本ペンクラブ副会長などを務めた。日本芸術院会員、文化功労者。ここまで、共同通信社。
『宣告』を読んで、緻密かつ濃密な文章に引き付けられた。『帰らざる夏』も読んだのだが、精神科医としての小木貞孝さんが執筆したドストエフスキーの『罪と罰』の中のラスコーリニコフが金貸しの老婆を殺害する前の奇妙な脱力感についての説明など、実に説得力があった。 古本屋で、『宣告』が、10円という価格で売りに出されているのに出会ったときは何とも言えない感情がわいてきた。私にあれほどの感動を与えてくれた作品が10円!!怒りというか、悲しみというか、今の世の中で「本」がどんな位置に置かれているかについての脱力感というか。 のちに、明石から西宮に引っ越すとき、自分の本の処分に困った。明石の家は、私にとっては、本の収納を考え、妻にとってはシステムキッチンに重点を置いた設計にしてもらった。二階にも書庫を作ったので、特に基礎工事はしっかりやってくださいと注文を付けたことを思い出す。 西宮の住まいは、コンパクトなだけに本を置く場所は限られている。結局、何とかおけるだろうという本を短時間で適当に選んで、あとはすべて業者に処分してもらった。一々本を選んでいたら、何日も何週間もかかったと思う。 図書館に寄贈できるような貴重な本はない。古本屋が引き取ってくれたのは数冊のグラフ雑誌だけだった。
今、読みたい本はたくさんある。三年生の日本史のテストは終わり、採点も終わった。あとは、一年生の歴史総合の授業。そのテストが終わり、採点、評価を付けたらそれですべての仕事は終わる。並行して作成してきたプリント類はすべて「燃やせるごみ」として処分、数冊のファイルのみを残す予定。 それから、本を読み、散歩をし、ルーペとカメラを持った自然観察、プチ旅行。できれば無料のコンサートにも行きたいし、映画も見たい。 そういう静かな生活を送りたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.01.18 23:26:57
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