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シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

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2005年12月16日
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カテゴリ:神秘体験空間
 秘儀参入法は、神々との出会いであることが目的であると、前回、書いた。エジプト時代の秘儀参入者は、女神イシスに出会い、そしてイシスから子であり夫である神オシリスが失われたことを知った。

 そのことがミトラ教の聖杯伝説にある。聖杯には1つの宝石がはめられているという。その宝石は、かって神の王冠にあったものであるといわれている。

 つまり、この宝石が、オシリスであり「かってあり、いまあり、やがてある。わたしあるもの」であろうことがわかる。その色は薔薇色のような赤である。赤ワインの色もこの薔薇色に近い、そして人間の血の色もこの薔薇色のものである。

 薔薇色は、高貴な帰依と献身能力の表れ、いわゆる愛情のオーラの色とされる。

 神秘学では、血は自我を表すので、自我の色ともいえるだろう。

 聖杯にはめ込まれた宝石は、自我なのである。その自我はオシリスであり、オシリスは、かって王冠イシスにあった。

 聖杯は、4つの人体のうち、自我の他の3つの身体であるアストラル体、エーテル体、肉体の将来の姿である。自我は、創造する言葉。イシスからその創造する言葉は、オシリスとして出で、人間のもとにいまある。聖杯の火は、宇宙創造の言葉から、いま個人個人の人間のなかの言葉を発する自我に移されたのである。

 オリンピックの聖火はこの名残りであろう。ギリシャ時代のオリンピックは哲学の場だったからである。ギリシャの哲学者は、全身を使って思考したのだ。ギリシャ哲学の堕落した名残りがいまのスポーツである。

 エジプト時代後半から、イシスは、オシリスを失い、悲しみで歌わなくなったということは、前回書いた。そしてオシリスは、モーセのもとで、十戒の「わたし」であるを示し、そのオシリスの「わたし」という自我が守るべき、イシスの掟、子供を育てる母性のようなルール、躾である十戒を与えたのである。 

 だから、十戒には、自我を育てる、宇宙神のイシスのなかにある、道徳的法則、創造する言語規則が存在しているのである。だから、十戒には、言葉を発する前の言葉の種があるだけであり、言葉で書きあらわしたものではないと思われる。だから、書き表された唯物的十戒を守るのではなく、霊的原型である十戒を守るべきなのである。だから偶像は禁止された。

 偶像が赦されるのは、キリストが肉体を伴って現実化したとき、新しい契約を結んだときからである。

 神々に出会うための秘儀参入法は、人間がこのオシリスに相応しく、いかに、自らのうちに聖杯を形つくるかの方法のことである。創造言語を、更なる自由な創造言語として育てあげることにある。

 自我がまず克服すべき杯は、アストラル体である。実は、アストラル体の象徴は、六芒星形である。この形に意味があるのではなく、この象徴を感じることが大切であるといわれる。この形に魂を感じることであるといわれる。

 この六芒星形のなかの2つの正三角形を、上下に引き離す。すると、そこに適度に両足両手を開いた人体が浮かびあがるといわれる。言葉で表すなら以下のことだという。

 「光は上方に流れる。重みは下方にかかる」

 これが、中世の秘儀参入法のカギであったという。

 神秘学から、考え続けると、光は絶え間なく生命を形作る。光の影は空間をつくる。空間に光や影が交わり、色彩ができる。色彩は水である。水にあらゆる方向から、神々の叡智が、星を通して押し寄せ、互いに譲り合いながら、光はまるまり、重みとなって、角がとれ、土(固体)となる。

 光がつくるものがエーテル体であり、エーテル体を通して、宇宙と相互作用し、肉体が生まれる。

 肉体は、自我と、宇宙の関係からつくられる。

 肉体はオシリスとイシスの結婚の証の結果である。

 そして、オシリスとイシスのつながりは、霊界と物質界の結婚を意味する。

 これは、七夕伝説にみられる。つまり777というヨハネの黙示録でいう数に、人類の進化が至ると、人間のなかにある自我オシリスと、天界にあるイシスが、再び出会うからである(ちなみに天の川は、自我と宇宙を遮るエーテル体と肉体のことであろう)。

 恐らく、エジプトのピラミッドは、このイシスとオシリスの結婚指輪であり、秘儀参入の場であり、神々との出会いであると思われる。

 太古の遺跡は、これらを現しているだけでなく、実際の現実のものであった。ギリシャ神殿には、実際に、神々が住んでいたのである。秘儀参入者は、神殿に行き、神々と会話したのである。

 ピラミッドが、秘儀参入の場であることをイメージさせる、中世の秘儀参入法があったという。

 それは、以下のようなものである。秘儀参入の師が、弟子を、雲の上の非常に高い高山に、つれていくと、弟子はそのうち、地上のことが夢のように感じられ、雲のなかから、自分の幼いときの子供(少年)を、見い出すという。
    
 そして、弟子はその子供(少年)と対話を続け、秘儀参入の名残りである宗教のなかの神の啓示の意味を見い出すという。これは恐らく、イシスのイメージである、愛のなかにある母性であろう。

 次に、師は、弟子を、地の深い洞窟のなかに連れて行く。すると、今度は、年老いた自分の未来であるかのような老人を見い出すという。

 そして、また弟子は、その老人と対話を続ける。すると、自らの体内を通して、自然のなかにある神々の叡智を感じるようになるという。これは恐らく、オシリスのイメージである、愛のなかにある父性であろう。

 ピラミッドには、天上にそびえる外形と、そして中には深い洞窟を見い出せる構造が存在するだろう。このことが、秘儀参入の場であったことを意味しているように思えてならない。

 そして、古代遺跡は、神々が存在している証でもある。





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Last updated  2005年12月16日 16時05分10秒
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