カテゴリ:電子回路(パッシブ)
最近、自分用の改造回路含めてピックアップの並列回路について考える機会が多かったので、簡単に書いておこうと思います。
ストラトのハーフトーンやジャズベースのミックスの音ですね。 調べると、「ポジションによって位相差が〜」みたいな話はたくさんあるはずなので割愛します。 ●はじめに ジャズベースのミックスサウンドからリアを絞ってフロント単体にすると、ほんの若干ですが低域が増えます。 他の楽器でも同様ですが。 ジャズベースについて上記を言い換えると「ジャズベって、低域がロスしてる音が基本」ということです。 一応ですが、低域を無意味に強調するのが良い音ではないので!! ジャズベースの少し腰の高いサウンドは現在のスタンダードたり得る非常に素晴らしいものだと思います。本当に。 無意味に低域出せばバランス良くなるとかはマジで無いので、ジャズベースの素晴らしさは改めて想いを馳せてほしい。 ただ、相対的に「高域が抑えめかつ低域はフルレンジなプレベの音」もキャラクター性を持ってくると思います。 個人的にプレベサウンドとして一番のポイントは「ジャズベではロスしていた低域が伸びていること」だと思います。 ともかく、並列回路の電気的特徴ってあまり語られることがないので少し書いておきます。 専門家ではないので、イメージを含んだデフォルメ的な文章になりますがよろしくお願いします。 何か間違えてたら教えてください。 ●本題 結論からいうと、ピックアップを並列にすると各ピックアップの良いところだけ殺したような音になりやすいです。 PJタイプのベースでは顕著ですね。 本来、抵抗の話は無視できないんですが今回は省略しちゃいます。 シンプルにピックアップ(電源)の出力がジャックで繋がっていると考えてください。 どちらのピックアップも1Vで出力した場合、出力端子も見たまま1V辺りの電位になりそうです。 しかし、例えばフロントの方が低域で1V出力したが、リアからは0Vだった場合。 同じライン上で両方の電位が成立するということはなく、高い方の出力電圧は低い所に流れてドロップしどこかで安定します。 1Vであり同時に0Vでもあるグラフや波形は描けませんよね。 つまり今回の例では、フロントらしい低域はドロップして半減してしまいます。 ●まとめ ミックスポジションではリアでもフロントでも同様に拾ってる帯域は出力しやすいのですが、フロントらしい低域やリアらしい高域といった「他方にはない良いところ」は減衰して消えてしまいます。 ジャズベースでは、ミックスサウンドが基本として定着してるので違和感は無いですけどね。 個々の音色のイメージが強く付いているPJ配列のベースなどでは、この辺りがお互いを殺し合って感じる原因ではないかと思っています。 並列ではコイル特性(インダクタンス)も変化しますが、これもプレベPUでは上がりきりませんし、やはりプレベらしい低域も減衰します。 本当に良いところだけ殺していると思います。 ギターのハーフトーンではこのインダクタンス変化が結構効いてくるのか、ロスする高域よりも、ハイレンジの伸びとピークの移動の支配度が強い気がします。 なんか位相とか、共振とか、なんか色々な作用があって独特な明るい音色になりますね!(よく分かってない) ●終わりに(応用) 個人的に、クセの強い(生音のタッチ感とかけ離れた)ハーフトーンの音色があまり好きじゃないのもあるんですが、上記の特性をデメリットと感じた場合の、対処方法を考えてみます。 パッといくつか浮かびますが、適当にひとつだけ紹介します。 一番お気に入りのやつは今回内緒です。 んー。そしたら過去に記事にもしたので、今回は「直列(内部ハイカット)にしちゃう」を推しましょうか。 例えばフロントをバッサリとハイカットして、リアをその上に直列に繋ぎます。 こうすることでフロントはリアの苦手な低域だけを出力(ブースト)し、リアは全帯域をほとんどロスなく出力できます。 カット幅を渋って中域を盛ってしまうとローミッドのブースト感が強く出ますが、欲張らなければリアのサウンドにフロントの低域を足したような音が出せそうです(そのままですね)。 もう既存のハーフトーンに慣れちゃいましたが、本当に欲しいリアとフロントのミックストーンってこういう感じだと思います。 個人的に、高域がギャンギャンいうギターが苦手なので、単純なパラより好みです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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