天体写真の画像処理ソフトは無料でも手に入る
最近のデジタル撮影の天体写真は、撮影のテクニックだけでなく、 画像処理のテクニックが、大きなウエイトを占めていますね。 そのぶん、その画像処理は面倒でもあり、楽しくもあり、 簡単にもでき、深みにはまることもでき・・・ですね。 ところでその画像処理ですが、もちろんコンピュータ上のソフトウエアで 行うことになるのですが、 そのソフトウエアというのは、高いんだろうな~~、と 私自身もそうなのですが、これを読んでいる方々も、思われているのかもしれませんね。 ところが! 実は画像処理ソフトは、無料で手に入るものも多いのですよ~~。 撮ったばかりの写真が、↓こんな風になる、途中経過の写真を公開したいと思います。10さらにNeatImage posted by (C)ホシミスト_3013Takahashi SKY90 D90f407RDAstronomik CLS CCD EOS ClipCanon EOS Kiss X4(Ir) ISO1600 10分×6(RAW)Dark 2Fr, Flat 16Fr, DarkFlat 10Fr, Bias 10FrDSSでコンポジットAdobe PSE で微調整NeatImageでノイズリダクション さて、この写真、撮ったまま(JPEG保存画像)は、こんな感じです。01撮りたての画像 posted by (C)ホシミスト_3013 ちなみに、フォトショップエレメンツに取り込んで、そこで表示されるヒストグラムはこんな感じ02ヒストグラム posted by (C)ホシミスト_3013 もう少し露出時間を伸ばしてもいいかな??とも思えます。 ところで、この写真1枚だけをフォトショップエレメンツで、出力レベルの調整をすると こんな感じになります。03-1枚処理 posted by (C)ホシミスト_3013 拡大して見てみると、ダークノイズや、デジタルノイズで 砂に書いた絵、みたいですね04-一枚処理拡大 posted by (C)ホシミスト_3013 ちなみに、滑らかにするために、コンポジット処理、というのを行いますが フォトショップエレメンツで、コンポジットを行った写真はこんな感じです。05コンポジットによるデジタルノイズ軽減 posted by (C)ホシミスト_3013 これまで私がやってきた画像処理ででき上るのは、こんな写真だったわけです。 これを拡大して見ると、 1枚だけで処理をしたものに比べると、はるかに滑らかになってはいますが、 決して美しい、とはいえませんね。06コンポジットによるデジタルノイズ軽減拡大 posted by (C)ホシミスト_3013 更には、レンズの特性である、周辺減光や、 デジタル一眼にはよく見られるかと思いますが、 撮影時にセンサー前面からミラーをよけるための、ミラーアップ機構によって 持ち上げられたミラーによる減光、が起きてしまいます。07周辺減光 posted by (C)ホシミスト_3013 上の写真は下の写真の右上隅を拡大したものです。 赤い点々がダークノイズ、斜めに筋が入っているのが、デジタルノイズです。 周辺減光や、ミラーボックスによる減光は、全体像を見た方がわかりやすいですね。 少し減光が強調されるように画像処理しました。08周辺減光とミラーボックス posted by (C)ホシミスト_3013 天体写真の画像処理は、こういう周辺減光やミラーボックスによる減光を減らして 画面背景の明るさが一様になるようにする(フラット補正) ノイズリダクション、 色合いの補正、 を行うわけです。 で、私が使うのは、Deep Sky Stacker という、 コンポジット処理や、フラット補正、ホワイトバランス、を一気に行うソフトです。 天文ファンの間では、世界的に人気が高く、使用されているアマチュア天体写真家さんも たくさんいるらしいです。 これを使うと、こんな風になります。09DSSでのノイズリダクションと周辺減光対策 posted by (C)ホシミスト_3013 こんな風に、周辺減光や、ミラーボックスによる減光は、わからなくなりますね~~ ただし、デジタルノイズは完全には消すことができません。 ざらざらした、砂の上に書いた絵、のようになっています(笑) そこで登場するのが、NeatImageという、ノイズリダクションソフトです。 NeatImageは、本来有料のソフトですが、 機能が限定されるデモ版は、無料で手に入ります。 機能が限定される、と言っても、ほとんどのことはできます。 できないのは、 アイコンの上に写真をDrag & Drop してもソフトは起動しない、とか フォトショップのプラグインとして、フォトショップ上で開くと 画像処理は1000×1000ピクセルにしか適用されない、とか 処理後の写真はJPEGでしか出力できない などであって、NeatImageを単独で起動すれば、5000×3000ピクセルの写真でも 全く問題なく、画像のノイズリダクションができます。 できた画像をフォトショップで出力レベルの調整やカラーを整えたのが、 本日のブログで一番最初にお見せした写真です。 ちなみに、Neat Imageを使う前が左、使った後が右、です。11NeatImageありなし posted by (C)ホシミスト_3013 ほら、こうなると、私の写真でも、結構綺麗にまとまるでしょう?? ところで、フォトショップエレメンツは、お金がかかるじゃないか、と思われますか?? 以前スキャナーを購入したときにバンドルされていたので、最初はお金を使わずに フォトショップを手に入れたのですが、 最近、新しいバージョンを買いましたからね(^^ゞ では、どうするか・・・ 私が使っている、EOS Kiss X4 には、カメラに、 Canon Digital Photo Professional というソフトウエアが付属品としてついてきます。 このソフトを使って画像処理をしたのがこれ。12DSS次にNeatImageその後DPP posted by (C)ホシミスト_3013 ちなみ、私がDPPで画像処理を行ったことは、ほとんどありませんので、 もうちょっと使い慣れると、カラーも綺麗になるのかもしれません。 Deep Sky Stacker Neat Image Canon Digital Photo Professional(DPP) ちなみに、今回の画像処理では使わなかった、 KikuchiMagick (比較明合成を行うソフトで、星の日周運動を表現するのに愛用しています) Registax(動画や多数枚の月や惑星の写真をコンポジットし、シャープ処理ができるソフト) FlatAide(Flat処理だけでは消せない光害カブリの補正にも威力を発揮します) これらは全部無料です、それでこんな画像処理できますから、 天体写真の画像処理に興味がある方は、是非お使いになってみてくださいね~~ 2015.08/16追記 DeepSkyStackerのインストール方法をブログにまとめました。 2016.06/04追記 フォトショップを無料で入手できる方法について書きました。