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カテゴリ:起業
という言葉が嫌いなんだそうです、森永卓郎は。
あるいは、「同時に『勝ち組』『負け組』という言葉に意味はない、と考えている」とも書いている。 先日、ある方が江原啓之の本に興味がある、というので、数冊彼の著書を貸したところ、リンロンさんはこういう本にも興味があるでしょう、と何冊か逆に貸してくれた。 その中に、「あと1億円 生涯収入を増やす本」↓ という本と、「シンプル人生の経済設計」↓ という、森永氏の著書が2冊あった。 まあ、この人の著書というと、この楽天ブックスだけで76件もあるので、相当な数の本を書いているんだろうけれど、2冊も読むとその内容がかなりダブっていることに気が付く。 それはともかく、彼(森永氏)のことは、もともとあまり好きではないのだが、今回せっかく2冊も貸してくれたので、暇つぶしに(最近あまりヒマでもなくなってきたが)読んでみた。 例の「年収300万円時代を生き抜く・・」と同じ論調だ。 その中で、冒頭の「勝ち組、負け組」の話が出てくるのだが、「嫌いだ」「意味がない」と言いながら、一方では なぜこれが意味がないのか、と言うと、 「勝ち組を目指すと力んでみたところで、サラリーマンのうち、今後、勝ち組として生き残れるのはわずか1割から2割にすぎず、残りの8割から9割は負け組にならざるを得ないからだ。」 と書いている。 「意味がない」と言いながら、その定義でこんなことを書くのでは、自らも言うように「論理が破綻」している。 いったい、この人の言うこと、書くことのどこが気に入らないか、とよくよく考えてみると、極論すれば、 「負け犬は負け犬として己の分をしるべし。そして、その前提でそこそこの幸せを目指すべき」 ということをこれでもか、これでもか、と言っているに過ぎないからではないか、と思う。 本人も、かなりの高収入を得ていながら、こういった自説の信憑性を高めるために(本人にその意識があるのかどうかは別問題としても)、朝、晩は人におごってもらう以外はコンビにの弁当やおにぎりで済まし、昼食のみ、吉野家やその他の500円以内で済ませられるところで済まし、健康状態はボロボロだそうである。 はたして、これが、「それなりの生活に満足して、幸せをつかむ『経済設計』」なのか、読んでいてあきれてくる部分が多々ある。 もう一つの違和感は、サラリーマンは・・・云々、人は所詮・・・云々、日本人はアメリカ人に比べて、云々といった「決め付け」がいたるところに出てくること。 そうはいっても、そんな考えでは身もふたもない、と言うと、「それが現実であり、それを直視しなければいけない」という方向に持っていってしまう。 つまり、「現状肯定型」なのである。 これは、いい意味で使っているのであれば問題ないが、彼は「いかなる努力もどうせ90%以上は徒労に終わるので、最初からあきらめなさい」と言っているのと同じ。 そういいながら、本人はがむしゃらに頑張って、本を70冊以上出し、年収数千万円を稼ぎ出しているところが、なにおかいわんや、である。 せっかく貸してくれたから、と読んだけれども、この人の考え方は全然なじめない、ということを再度確認しただけに終わった。 初めに紹介した本の、一冊目の方は対談で、相手は加治将一という人である。 この人のことは全然知らないが、裸一貫アメリカに行き、相当な財産を作るもバブル崩壊でまた無一文へ、そしてそこからまた這い上がって、という、その生き様に裏打ちされた数々の発言は、よっぽど森永氏の発言よりも説得性も納得性もあった。 そう言えば、この対談の中でも、加治氏は、森永氏のあまりの決め付けように、そうとうあきれていた雰囲気が読み取れたが、さもありなん。 どうして、この人(森永卓郎氏)の本が、かくも大量に売れるのか、私としては全然わからない、というのが結論のようです。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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