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オペラ「タイス」で、結局あの後どうなるんだろう・・・と気にかかり、アナトール・フランスの原作を読んでみることにした。
舞姫タイス もちろん、原作とオペラは似て非なる話になることは多いのだけど、原作はタイトルロールのタイスより彼女を導いた修道士の方が主人公。 オペラは、遊女タイスが信仰に目覚めて、立派に帰依して、最後には宗教的な喜びのうちに神に召される。 そこまでで、ストーリー展開のほとんどが終わるわけで、最後に修道士がタイスへの愛を自覚し彼女にすがりついたので、私は「可哀そう・・・」と思ったわけだけど、原作はタイスが女子修道院に入ってしまったあとが長い。 彼女への欲望を抑えるため、激しい苦行を行い、そのあげくやっと自分が欲しいものに気付いたあわれな修道士。 なんだか生臭くて、人間くさくて、ずっと共感はするのだけど、絵的に全然美しくないので、原作ままではオペラにはならないだろうな。 オペラって虚構の上のさらなる虚構なのね、と今更思った次第。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.31 23:21:07
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