METライブビューイング「カルメン」
職場はお盆ムード。7-9月の間に夏季休暇を取ればいいのだけど、やはりこの時期に集中する。上司がいないと、早く帰れるのは事実(笑)で、今日は私も早々に職場から抜け出しました。METライブビューイングの「カルメン」は、最初の上演時には体調が悪くて観に行けなかった。それが残念で、この再上演期間になんとか観たい・・・と思っていました。指揮:ヤニック・ネゼ=セガン 演出:リッチャード・エア出演:エリーナ・ガランチャ(カルメン)バルバラ・フリットリ(ミカエラ)ロベルト・アラーニャ(ドン・ホセ)テディー・タフ・ローズ(エスカミーリョ)久々に「カルメン」に満足!「カルメン」って、本当に何度も観ているから、いまやちょっとやそっとでは感動しなくなっています。それなのに今回のこの「カルメン」を観たので、また当分は誰を観ても納得できなくなりそうです。アラーニャはこういう‘すがりつく男’系をやらせたら、すごく似合いますね。甘さが残る声も張りがあるし、少しスリムになって若く見えるのもグッド。以前にガランチャのカルメンを観た人が「彼女は知的すぎてカルメンは似合わない」と言っていましたが、なかなかのファムファタールぶりでした。幕間のインタビューで、アラーニャのテンションに引っ張られているようなことを言っていましたが、そういうのをケミストリーと言うのでしょう。演技はもとより、ダンサーと一緒に踊れるところにもびっくりしました。主役級の力量がオペラ全体にとても響く演目ですが、現在のガランチャとアラーニャほど、カルメンとドン・ホセにピッタリの組合せはないように思えました。ミカエラにフリットリを持ってくるというのも、なんとも贅沢すぎて重い(?)です。演出の中で、カルメンとドン・ホセに見立てたダンサーが踊るのですが、それは多分マリア・コウロスキーとマーティン・ハーヴェイではなかったでしょうか?振付はクリストファー・ウィールドン。さすがMETというか、オペラの一部のダンスにこういう布陣をしてくるなんて、ため息が出てしまいます。3,000円のもとは十分に取ったライブビューイングでした。