カテゴリ:世の中の話題から
今日の日経の夕刊のテレビ欄の下のコラム、「データTV」に、視聴率の有意差に関する記事が載っていました。(残念ながら日経のサイト上にはアップされていません)
これは、『視聴率の謎に迫る』などの著者で、元ビデオリサーチ社のベテランリサーチャーである視聴率リサーチ評論家・藤平芳紀氏のコラムなのですが、 彼によると、ビデオリサーチ社が行っている関東地区の視聴率調査の600サンプルという数から見た場合、「お互いに独立は%の差の検定」という統計の手法で調べると 「統計的に有意差がある(調査の誤差ではない)のは4.5%以上の差が必要」 ということなのです。 これを、彼が例に挙げている春の新ドラマで見ると a)『トップキャスター』(フジ系): 23.1% b)『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系): 20.5% c)『ブスの瞳に恋してる』(フジ系): 19.9% d)『クロサギ』(TBS系): 18.8% e)『アテンションプリーズ』(フジ系): 17.7% f)『ギャルサー』(日テレ系): 15.4% g)『警視庁捜査一課9係』(テレ朝系): 14.7% という「結果」において、『クロサギ』の18.8%は『トップキャスター』の23.1%との差が4.3%、また『警視庁捜査一課9係』の14.7%との差は4.1%であるため、 「『クロサギ』は『トップキャスター』とも、『警視庁捜査一課9係』とも視聴率の有意差はない」(=本当にそれぞれよりも視聴率が低い・高いとはいえない) という結果になってしまう、ということなのです。 ※ちなみに、『トップキャスター』は4.5%以上の差がある『アテンションプリーズ』、『ギャルサー』、『警視庁捜査一課9係』とは有意差がある=視聴率が間違いなく高い、ということになります。 視聴率調査を行っているビデオリサーチ社も、自社のサイトでその標本誤差に関しての説明を行っており、 世帯視聴率:標本数600の誤差、標本数200の誤差、の順で ・ 5%・95%:±1.8%、±3.1% ・10%・90%:±2.4、±4.2 ・20%・80%:±3.3、±5.7 ・30%・70%:±3.7、±6.5 ・40%・60%:±4.0、±6.9 ・50% :±4.1、±7.1 という数字を挙げていますが、上記の藤平さんのものよりはちょいと低めですね。 ただ、統計というものの性質上、このサンプルを増やしたからといって有意差が劇的に減るわけではない、ということなので、現状の「関東地区で600サンプル」というものが意味がない、ともいえないとしています。 いずれにしろ、テレビ製作者側が視聴率1%の差で一喜一憂したり、またテレビスポット広告の料金がこの視聴率を用いて決められている、ということの「微妙」さをあらためて感じさせてもらった情報だったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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