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2012年10月25日
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カテゴリ:小説すばる2012年
小説すばる 2012年11月号

はじまりの音 神田茜

どうでもいいわたしが、どうして生きているんだろう・・・。
この春休み、北海道に行って命を絶つ。それがわたしの計画だ。

(小説すばるより転載)

小説すばるに不定期連載されている、「ジャイアント僕」に始まる、
夏見君のシリーズみたいですね。夏見君も少し出てきます。

ちょっと精神を病んでいる母と二人暮らしの私・まほり。
生まれつき耳の聞こえが悪い弟は北海道で父親と暮らしている。

母親と暮らすことに疲れているまほり。
母親の面倒まで見ていて、大人っぽいですが、まだ中学生。
これはつらいですよね。かなり追い詰められています。

父親のいる北海道に、一大決心で行きますが、
父親は予想に反することを言い出します・・・。

まほり自身も気がつかなかった気持ちがここで
はっきりしてきます。うーん、この辺は胸に迫りますね。
気配りの出来る、なんていい子なんだろう・・・!

このシリーズにふさわしく、胸暖まる最後。
まほりを思いっきり応援してしまいました。

読んでいてイギリスの児童作家ジャクリーン・ウィルソン
の小説を思い出してしまいました。
特に「The Illustrated Mum」邦題「タトゥーママ」
この小説は思いっきり泣けますが、
「はじまりの音」もかなり近い雰囲気でした。

大人がダメな時、子供は必死で行動しますよね。


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最終更新日  2012年10月25日 22時54分16秒
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