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2019年10月30日
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カテゴリ:小説すばる2019年
小説すばる 2019年11月号

かざあな 彩瀬まる

俺はこんなに一人でいるのが
好きだっただろうか・・・。
出向をきっかけに家族と離れ、
鳥との暮らしが始まった。

(小説すばるより転載)

平野は子会社の出向で単身赴任する。
借家は築四十五年を超える家だ。
古い家だが、入居者が絶えない不思議な家だ。

平野は家に妻ともうすぐ一歳になる息子を
残していた。妻も銀行で働きながらの
育児なので、妻の不満は大きい。

出向先は空調設備会社。年々仕事が減り、
利益率が低下している。
状況を改善しろ、と出向時に親会社から
言われたが、出向先はパワハラが
平然とまかり通っている会社だった・・・。

妻の不満と、うまくいかない仕事。
寛げるのは、借りた古い家で
野鳥に餌をあげる時だけ。

両方のプレッシャーから
次第に様子が変になってきます。

寛げていた家に、
妙な物が出現するようになり、
益々おかしくなっていきます。

一人で重圧に耐えて仕事をしていると、
こうなっても不思議ではないですよね。

ちょっとスティーブンキングの
「シャイニング」に似た雰囲気です。

結末は、ちゃんと落ち着いたものなので、
読後はそれほど悪くないですが、
どちらかというとホラーっぽい話。

ユニークな存在の不動産会社の中岡。
彼のおかげで大分救われます。

私が家を借りるのなら、
中岡から借りたいですね。








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最終更新日  2019年10月30日 20時14分40秒
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