野菜/農産物の衛生的な生産方法について。
野菜/農産物の衛生的な生産方法について。昨日のクロ現みたからというわけでもないのですが笑、質問いただいたので、いまでは一般的となってきた野菜の衛生管理の話で2010年当時ではまだ珍しかったらGAP/適正農業規範をご紹介した記事となります、再録ですが よろしかったらご参考に。 ↓市販の野菜に付着している細菌や大腸菌の仲間は 野菜1グラムに対して10000~100000個といわれています。これって考えようよってはととても多いようにも思えますよね。でも、大丈夫。この数字の値は、たとえば椅子や机といった家具にもついているくらいの値なのだそうです。このように地表から地下部の微生物や昆虫や動物といった生物の存在し生活している土に接触して生産される農産物には、いろいろな菌やさまざまな小動物が付着していてあたりまえなわけですが・・・けれど。問題はこのブログでも たびたびとりあげてきたO-157を代表とする病原性の大腸菌群です。こういった種類の病原菌は、 数十個から数百個で人への感染をひきおこすわけですから、じつに厄介で要注意な存在となります。もし、病原性の大腸菌群がついた野菜が消費者の手にわたり、その後購入者の洗浄が不十分なままに生食された場合は、食中毒を引き起こす可能性が大きくなるわけですからね。そこで、こういった種類の病原菌を生産物である農作物に付着させないような努力をおこなう必要が生産現場に要求されることになるわけですね。しかし。わずか数十個から数百個で感染する可能性のある病原菌を付着させないようにすることは、一見とてもむずかしそうに思えます。けれどそこには原則がある。そう、『O-157やサルモネラ菌などの病原性微生物は家畜のふん尿のなかで生殖・増殖する微生物である』という原則です。まずはこれを押さえる。そういった考え方のもとで、『家畜のふん尿』を念頭において対策をしぼって管理していくとすれば、野菜への病原性の大腸菌群の付着を少なくすることは、かなりの確率で可能となります。そこでまずは生産現場における、菌が付着している可能性のあるもの/汚染源をつぎに記してみました。■ 農場段階での病原性微生物の汚染源 収穫前・・・・家畜のふん尿・土・栽培に使用する水 ごみ・ネズミ・ハエ・作業者・生産用具 収穫後・・・・人のふん便・洗浄水・運搬器具・運搬車 作業者・貯蔵庫・小動物・段ボール といったものが汚染源として考えられます。したがって、これらの考えられうる汚染源をつねに検査し消毒することで、生産現場において、病原菌の付着していない可能性の高い安全な野菜を提供できるものとかんがえられています。そして、もうひとつ大事なことがあります。それは・・・記録。たとえば、「いつ・だれが・なにを・どういうふうに」消毒したかを、こと細かに記録としてのこしておくことが大事です。記録を残すことも、生産する側としてつねにかんがえておかねばならない重大な事項なのです。 以上、今回ご紹介してた野菜の衛生管理の考え方は『適正農業規範/GAP』 とよばれる、農業の各段階で衛生管理を実施していこうという考え方です。これからの農業のあり方を考えると、避けて通れない大事な考え方だとおもいます。生産段階の次のステージである流通・小売の段階のHACCPと併せて行動すれば、鬼に金棒ってかんじでしょう。。 前々回のカイワレ大根業界といい、今回のGAPという生産活動といい、こういった生産現場からの努力に対しては・・・農業関係者にプラスして、いち消費者としての立場からも評価してあげたい気持ちでいっぱいです。ちなみに HACCP。こちらは1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された 食品の品質管理の手法です。 食品の製造工程全般を通じて危害の発生原因を分析し、重要管理事項を定め、より一層の安全確保を図る科学的管理法式といわれています。 ここからは2019年現在の参考資料のご紹介。 たとえば、あんなに防いでも感染の止まらない豚コレラ。 気をつけているはずなのに、イノシシや機械や作業者にも 付着してしまう菌についての回は こちら。 そして人に影響のない豚コレラはいいとしても、たとえば そこから推測してもらいたいO-157の生活圏に関する話は こちら。 そして・・・O-157を保菌した・イノシシが圃場に侵入した ことが原因とされる、米国においての野菜によるO-157 発生があった事実も、いま農業生産者は知っておくべきだ と思います。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜