房総半島の最高峰の鋸山に行ってきた。
全国の都道府県の中で最高地点が一番低いのは千葉県で、鋸山も330メートルとさして高くはない。ただ房総半島を遠望するとき、ぽこっと三角にとがってみえるので大変に目につく。
この山の特色は、巨大な岩山という趣であちこちに岩が露出しており、こうした岩壁には摩崖仏の百尺観音と日本寺大仏とがある。また、岩壁が庇のように突き出したところがあり、そこから下をのぞけるようになっているところが「地獄覗き」という名所になっている。岩だし、もちろん鉄柵もあるので、人間がぎっしりと乗っても、まあ大丈夫だと思うのだが、なぜか一人、二人で順番に除くので並んでいるとけっこう時間がかかる。ただ、その絶景は素晴らしい。とにかく岩をよじのぼったり、下りたりするところが多いので、運動靴のようなもので行くのがよいだろう。
ここはまた上総と安房の国境でもあり、上総の金谷と安房の保田を一望できる。
今でも安房には南国的で豪放磊落な気風があるといわれ、その昔、黒潮にのって移住してきた人々が多いのではないかという説もあるらしい。安房と阿波の音が同じであることや、白浜など南紀と共通する地名があることをその証左とするらしい。ことの真偽はともかくとして、眼下に広がる海と集落をみていると、はるか昔にそんな人々の移動があっても不思議ではないような気がする。
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