財務省の文書改ざんはなかなか鎮火しそうもない。官邸前でも反安倍のデモが連日のように行われているという。ただ、だからといって、さっそく解散して選挙となったらどうだろうか。ほぼ確実にいえることは、再び自民党が勝つということである。安倍政権に対してはこれだけ問題が噴出しているのに、自民党政権は盤石でゆらぐ気配もない。その盤石さが安倍一強ともいえる状況を支え、そのおごりが今回のような問題を引き起こしている。公私混同…といえばたしかに公私混同で否定しようもない。ただその公私混同した「私」の実態はなんなのだろうか。「名誉校長」にしてもらった学校に格安で国有地を売ったとかいう話で、巨額の蓄財をしたとか、親類縁者に便宜をあたえたとかそうしたものではない。それが外国で時々起こる権力者の腐敗事案とは異なる。
自民党政権がますます盤石強固になっている。ここ何年かの状況を敷衍するとこうしたことがいえるのではないないか。だいたい政治の対立軸などというものは、競争と平等の最適解をどのあたりにみるかが大きな差異になる。競争の結果を重んじて米国にみられるような格差の大きい社会を善とするか、格差の少ない福祉社会である北欧のような社会を善とするか…ありていにいえばそういうことだろう。そして起きているのは平等を重視する政党の衰退であり、ときどきあぶくのようにでてきて風を起こす新政党もどちらかといえば自民の補完勢力のような政党ばかりである。現実には一億総中流がとっくに崩れ、生活の苦しい層が増えているはずなのに、なぜこうした状況になっているのか不思議である。
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