週刊誌でさるタレントの裏口入学疑惑の記事が掲載されている。
なぜこれが「ニュース」なのか…その方がよほど興味深い。
第一にタレントはすでにいい年で大学入学など何十年も昔の話だ。裏口を頼んだという父親もすでに故人になっている。こんな話まで掘り返していったら、今の政治家だって疑惑のでてくる人はいるのではないか。
第二にこのタレントは、しゃべりだけではなく、文章も書けるタレントとして確固たる地位を築いている。この人がどんな学校をでているかということなど興味ある人はあまりいない。
第三に、問題となっている大学だが、これが裏口云々をいうほどの学校だとはどうしても思えない。
だからこんな与太記事ほっておけばよいのにと思うのだが、本人は立腹して訴訟だのなんのと息巻いているという。おまけに「あんなあほ大学」だの「地頭は良いんだ」だのけっこう余計なことをいっている。まあ、従来のキャラと齟齬はないし、これで人気が落ちるとも思えないのだが、本当にどうでもよい話だ。
裏口はこのくらいにして某知事の学歴詐称疑惑もときどき話題になる。世の中には才色兼備と言う人はずいぶんいて、お顔もきれいで英語もできるなんていう人はマスコミでは珍しくない。そんな中でも、さすがにアラビア語ができる美女となれば希少価値もあり注目もあびる。注目されてなんぼの職業である評論家やタレントがうりだすときに経歴をもるのは、よくあることだし、これも全部が全部非難するようなことでもない。カイロ大首席なんてのも、もしかしたらその類なのかもしれない。
けれども、さすがに政治家になれば嘘の経歴はまずい。カイロ大卒業は本当なのだろうか。ただ、卒業証書をだすかどうかはその大学の判断であり、カイロ大の卒業証書を持っているのもあり得るのかもしれない。少なくとも卒業が嘘という証拠はない。
それに正直言って、多くの東京都民は都知事が不祥事で辞めるのにはあきているように思う。政治タレントとしてイベントに率先して顔を出し、大過なく職務をこなしていくのであれば、アラビア語ができようができまいが、どうでもいいことだ。少なくとも、「都市外交」と称して都民のために使われるはずの税金で「外交」をやっていたような前知事よりはずっとましではないか。