前から気になっていた本、時代を越えて読み継がれてきた本を読んでいこうと思っているが、ついにあの大長編に手をだしてしまった。それは、山岡荘八の「徳川家康」全26巻である。最初は読んでみて詰まらなければ途中で止めればよいくらいのつもりだったのだが、読みだしてみると止まらない。第一巻の半分くらいまで来て、まだ主人公の竹千代は赤ん坊というスローペースなのだが、そこまでの間にも天海僧正、出雲阿国など、その時代の興味深い人物が想像力豊かに描かれ、大長編と言うよりも短編集の趣がある。どうも中毒性のある小説のようなので、読了がいつになるかは不明だが、折にふれ、巻毎の感想も書いてみる。
それにしても、竹千代が生まれた同じ日に側室の子供も生まれているというのは初めて知った。ネットで調べてみると、これは作者の創作ではなく、歴史的事実であるらしい。生まれるとすぐに出家することに定められ、僧侶として一生を終えた人物(恵最)である。正室と側室が同日に男児を生むなど偶然もいいところで、実は双子だったという説もあるという。これが事実で、それも一卵性なら家康にそっくりの人物がもう一人いたということになり、ここに想像力を加えると、家康に知られざる影武者がいたというような別の小説もできそうである。
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