銚子市の屛風ヶ浦は日本のドーバーともよばれる景勝地なのだが、そこにレンガ色のひときわ目を引く立派な建物がある。例の加計学園で有名になった千葉科学大学である。科学大学といっても物理や化学を専攻するのではなく、学部は危機管理学部、薬学部、看護学部である。その千葉科学大学が志願する学生が減り苦境に陥っているという。公立化を模索しているというが、ただでさえ破格の条件で大学を誘致した銚子市にとって大学の存在は財政上の負担となっている。これ以上の負担は市は望まないとなると、結局のところ県の負担で大学を維持することになるのかもしれない。
危機管理学部もよくわからないが、就職の固そうな薬学部や看護学部にさえ学生が集まらないというのは、もうその大学に対する社会的需要はないということなのではないのだろうか。公立や国立にすれば学生は集まるかもしれないが、そうした公立ブランド、国立ブランドというものも過去の話で経営難で公立化した大学にそうしたブランドイメージがあるとも思えないし、安い授業料はその分、どこかが税金で負担するわけである。そうまでして大学を維持する理由というのがよくわからない。
なお銚子市の財政はかなり厳しいようで、景勝地にかかわらず廃墟が目立ち、犬吠埼の遊歩道は震災で壊れたまま整備もされないで放置されている。