かつてはよく改革を叫んで支持を訴える候補者がいた。今回もいたのかもしれないけど、昔ほどではなかったように思う。そう…以前は「改革」といえばよいもののように聞こえ、候補者や政党でも「何かやってくれそうだ」というだけで支持されていたという例もあった。
改革が昔ほどはやらなくなったのは、どうも、ここのところの改革というのはよいことばかりではないということに気づいたということもあるのかもしれない。余計な改革をやるよりは現状のままの方がよい。世の中のムードもそのようになっているのかもしれない。だからだろうか。「穏健な保守」ということを言っていた政治家が支持を集めたりする。今回の選挙では、大声で改革、改革…と連呼していた政党はなかった。これも一つの変化なのだろう。
選挙結果は与党の過半数割れという結果になり、今頃は水面下でいろいろな駆け引きが行われているだろう。あの低投票率を見ても、世の中には政権交代自体の期待というのはないように思うが、政権交代自体を目的にするような政治屋もいる。細川総理や村山総理が担ぎ上げられたようなサプライズもまったく可能性がないわけではない。
なお、今回の選挙で、あまり他では言われていないのだが、一つの感想がある。変なことを言っているというのなら無視していただきたいのだが、小泉議員が総裁選の中で、解雇規制の緩和などの発言をした。結局小泉総裁というのは実現しなかったものの、自民党の総裁選の中でこうした発言が出てきたということは、その後の総選挙に影響したのではないか。解雇規制の緩和に不安を感じる人々が自民党への投票を躊躇するというのはありそうなことである。争点はマスコミが作るのではなく、国民一人一人が自分が重視する点を考えて投票するものなのだから。