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カテゴリ:「赤い鳥」ノート
タカシはラーメンのためにこの作品を書いたのだ。 と私は確信している。 全く個人的に私は彼「林多加志」氏のことを「タカシ」と呼んでいた。 現在も「タカシ」と呼ぶ。 タカシは決して筆の速い方ではない。 むしろ不器用で筆の進みは遅い。 しかし この作品を書き進めているときの彼は、まるではじめからこの作品が彼の中に埋まっていてただそれを掘り出す作業をしているかのように。 テキパキテキパキどんどんどんどん掘り出して行った。 はじめからラーメンへの思いがいっぱい詰まっていたのだと思う。 「ウソつきのススメ」の主人公は、すぐばれるウソをつく憎めないガキンチョ通称「男爵」。 その男爵のクラスに転入生としてやってくる天然パーマの女の子「ラーメン」。 ツンツン女と憎まれ口を叩きながらも男爵と作者のほのかな恋心が作品を最後まで引っ張っていく。 彼は現在も都会の子どもの群像を作品に埋め込む児童文学作家として次回作を画策している。 第31回講談社児童文学新人賞受賞の作家「林多加志」氏は その後実在のラーメンには会えたのだろうか。 タカシは決して寡黙な男ではないけれども その件に関しては黙して語らない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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