ナルニア国ものがたり
洋服ダンスの奧に不思議な世界への入り口が開いている。幼い頃にはきっとそんな入り口がそこかしこにあったに違いありません。「ナルニア国ものがたり」もまた学生時代にであった本です。教えてくれた友人もまた今はもう過去の思い出の中に去ったままです。幼い頃ただ漠然と抱いていた思いは不安ともおそれともつかない不思議なものでそれはまた楽しげでもあり誘っているようでもあったのです。ナルニア国ものがたりが映画化され話題になってもそれを観に行こうとさえ思わなかったのは自分の思い描いている世界とはきっと違っているに違いないそんな傲慢な思いからに過ぎません。時間つぶしに立ち寄った書店で偶然目についた本をめくりながら実はそれほど形あることを考えていたわけでもありませんけれども。