馬は賢い!と実感した瞬間
スポーツ嫌いの私にひとつの例外があります。それは、旅行に出かけたときの乗馬。(これってスポーツですよね?)転んで怪我をしてからは、自転車でさえ乗りたくないのですが、乗馬となると話は別です。最初に馬に乗ったのは、カナダ、レイクルイーズ。馬はよく訓練されていて、全くの初心者でもOKでした。歩くところも、馬が安全なところを歩いてくれました。初めはおっかなびっくりで、馬にしがみついているだけ。次第に馬の歩くリズムに慣れてくると、高いところから見渡せるようになりました。ちょっと視点が高くなるだけで、視界が広くなったように感じます。初めて馬に乗り、楽しかった、面白かったという思いと同じぐらいに、お尻が痛い、太ももが痛いと筋肉痛も味わいました。それ以来、何処かに出かけてチャンスがあれば乗馬を楽しみました。一番心地よかったのは、ハワイ・オアフ島の海岸沿いを、潮風に吹かれながら走った時です。観光客が乗る馬ですから、どこでもきっちり調教されていています。馬は賢いと聞いていましたが、本当に賢いのです。オーストラリア・ケアンズの牧場でそれを実感した瞬間がありました。そこでは、おとなしい馬を与えられました。いざ、出発!と言うときになって、馬に進めとお腹を足でポンと蹴って指示したんですが、動かないんです。その後何度かやってみましたが、やはり動きません。そこで、思いっきり進めとポンと蹴ったのですが、私自身がびっくりして手綱を引いてしまいました。そうです。馬に、進めと止まれを同時に指示してしまったのです。その時「おいおい、いったいどうすればいいの?あなたはどうしたいの?」という表情で、馬にジロリと睨まれました。馬が賢いと思った瞬間であり、馬に馬鹿にされた瞬間でもありました。その日一日、馬がおざなりな態度で私に接したのは言うまでもありません。振り落とされなかっただけでも、よしとするべきかもしれません。ケアンズというと、海のイメージが強いのですが、馬の賢さを実感した土地でした。