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2023.01.06
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カテゴリ:介護
​​​​​




「相模原の事件に触発された・・・」
精神障害の兄をハンマーで殺害した弟 
犯行に至った自身の生い立ち語る 富山





​兄の頭をハンマーで殴り殺害したとして殺人罪に問われた無職、
高畠春樹被告(24)の裁判員裁判。

12日の被告人質問で、犯行について高畠被告は、
7年前に入所者など45人が殺傷された相模原市の知的障害者施設、
津久井やまゆり園の事件に触発されたと語りました。
​​

​12日に行われた被告人質問。

高畠春樹被告は、
終始うつむきながら細々とした声で語りました。

「相模原の事件に触発されました」


弁護人
​​
​「​何で障害者は生きる価値がないと思ったんですか?」​​

高畠春樹 被告:

「身内に障害を持っている人がいると
自分の人生が思い通りにならない。
からかわれたりいじめられたりする
と思っていました」


兄を殺害したきっかけが、
相模原市の障害者殺傷事件だと語った無職、
高畠春樹被告(24)。





​■誰もいない実家で兄の帰りを待った…​

事件があったのは、2020年11月13日。

この日、高畠被告は誰もいない実家で、
病院から帰ってくる兄と母親を待ちます。

正午すぎ母親と兄が帰宅すると、
持ってきたハンマーで背後から兄に殴りかかりました。

​​​​​​​​​​​​「もうやめてよ」と泣き叫ぶ母親の制止を振り切り、
何度も兄の頭をハンマーで殴り殺害しました。


兄の頭には少なくとも18か所の傷がありました。

高畠春樹 被告:
「攻撃を止められませんでした」



■小学校低学年の頃からいじめられていた…

12日の被告人質問で高畠被告は、
自分の生い立ちについて、
うつむきながら細々とした声で語りました。


高畠春樹 被告:

「小学生のころ、家族以外の人に話しかけられると
パニックになってしまい、頭が真っ白になり
何も言葉が出ませんでした。
相手の言葉に対して、うまく反応できませんでした」


弁護人:
「周りの友達と違うと思ったことは、何かありますか」

高畠春樹 被告:
「たくさんあります」

弁護人:
「例えばどんなことがありましたか」

高畠春樹 被告:
「周りの人から、からかわれたり
うまくなじめなかったり浮いているという状態でした」

高畠被告は、小学校低学年のころから
友人とうまくコミュニケーションがとれず、
いじめられていたといいます。


■いじめられる原因は精神障害のある兄にあると思い込み・・・

弁護人:
「自分の日常や人生をどのように考えるようになりましたか?」

高畠春樹 被告:
「小学校は地獄のような場所でした。
人生ってこんなにつらいものなのだと。
生きているのがつらいと思いました」


中学に進学してもいじめはエスカレートし、
天然パーマの髪型を「わかめ」というあだ名で呼ばれたり、
体を殴られたりすることが日常的にあったといいます。

​その原因が精神障害のある兄にあると思い込みます。​

兄は統合失調症と広汎性発達障害を抱えていて、
高畠被告とは幼いころから
トラブルがつきなかったといいます。


高畠春樹 被告:

「障害を持ったお兄さんが
身内にいるせいで人から好かれないし、
女性にももてないと思いました」

「自分はZ世代。
Z世代の人から笑われたりけんかを売られたり、
ばかにされたり屈辱的に感じました。
どこかで爆発するのではないかと…」

弁護人:
「そのストレスを誰かに向けましたか?」

高畠春樹 被告:
「家族やお兄さんに向けました」

■3か月前、兄と口論になり追いかけられた

高校を卒業後、
埼玉県の自動車整備工場で勤務した高畠被告…。

そこでも同僚とトラブルになり、
ふたたび富山に帰ってきました。

両親は兄弟の仲が悪いことを不安に思い、
高畠被告を富山市内のアパートで生活させます。


そして事件の3か月前、兄と口論になり、
包丁を持って追いかけられたといいます。


高畠春樹 被告:

「いつか殺さないと、自分が先にやっておかないと。
やられる前にやっておかないと、と思うようになりました」

その後、スマートフォンで、
「兄を殺したい」「死体処理方法」などと
検索するようになり兄の殺害を決意しました。


​​

高畠春樹 被告:
「相模原の死刑囚の発言に触発されました」

弁護人:
「どんな発言ですか?」

高畠春樹 被告:
「障害者なんて死んだほうがいい、そんな言葉です」


■今までの自分の行動が、ふに落ちた…

高畠被告は逮捕後、
発達障害の1つ
ASD・自閉症スペクトラムと診断されていました。


弁護人:

「障害者は生きる価値がないといいますが、
あなたも事件後、
ASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されました。
あなたも生きる価値がないということになりますよ」


高畠春樹 被告:

「はい。」

弁護人:

「自分がASD(自閉症スペクトラム障害)
と診断されたことをどう受け止めましたか?」

高畠春樹 被告:

「自分が発達障害とは知らず、はずかしいと思った」

弁護人:

「わたしはあなたにASD(自閉症スペクトラム障害)
の特性を伝えましたが、あなたはどう感じましたか?」

高畠春樹 被告:

「自分の今までの行動がふにおちました」
「人間関係を築けなかったのはASD
(自閉症スペクトラム障害)だったからだと思いました。」


弁護人:
「今も障害者は生きている価値がないと思いますか?」

高畠被告:


「いいえ違います」

「人としてよくないと思います」


事件を起こさなければよかったと話した高畠被告。

検察側は、
『強固な殺意に基づいた執拗かつ残忍な犯行態様である』
と主張しました。

一方の弁護側は、
『ASD(自閉症スペクトラム障害)により
対人相互性と強迫症状があった被告が、
長年確執があった兄を殺害しなければならない
という考えに固執するようになった』

などとして、情状面を考慮するよう求めてました。

裁判官と裁判員は被告が抱えるASDの影響をどう判断するのか。

裁判の争点は量刑で1月31日に判決が言い渡されます。

[TBS NEWS DIG]











1つの事件に触発される。


今の社会で最も起こりやすい負の連鎖、

いかに防ぐかが今後の課題ですね。














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Last updated  2023.01.17 07:29:57
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