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あま野球日記@大学野球

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2013.07.02
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テーマ:高校野球(3603)
カテゴリ:高校野球

■NHK「ヒーローたちの名勝負 江川攻略、銚子商執念の9か月」を見た。

昭和48年夏の甲子園、銚子商高対作新学院高戦を、当時ボクはテレビで見ていた。そして延長12回裏、江川は雨で手が滑り、満塁の場面で押し出し四球を出したシーンを憶えている。生来「天の邪鬼」なものだから、大スター・江川卓を好きになれず、銚子商を応援して勝利の瞬間には小躍りして喜んだものだった。

最後の一球は、雨が江川の手を滑らせた、雨が銚子商を勝たせてくれたとボクは信じていた。しかし番組を見て、江川のこの一球に至るまでの(いや、至らせた)プロセスを初めて知ることができた。スポーツにはすべて「流れ」がある。野球も同様で、銚子商が「流れ」を呼び込んだ理由は、凄まじい執念があったからだった。

(昭和48年、夏の甲子園2回戦)
作新 000 000 000 000  =0
銚子 000 000 000 00X =1
(作)●江川、(銚)○土屋


■全国制覇を目指す銚子商にとって、江川攻略は絶対条件だった。江川から点を奪わない限り、その先はない。なにせ「ストライクと思ってバットを振りだすと、急にホップして高めのボールになる」速球。「こめかみにぶつかりそうなってのけ反ると、アウトローに大きく曲がる」カーブを自在に操る江川である。高校時代は公式戦だけでも完全試合2、ノーヒットノーランを10試合も達成したほど。ひとは江川を「怪物」と呼んだ。

斉藤一之監督はじめ銚子商ナインは江川対策に知恵を絞った。甲子園で対戦する9か月前からである。再三にわたり作新学院に練習試合を申込み、江川の球を選手の目に焼き付けた。そして得た結論は「バットをコンパクトに振る」「高めの球に手を出さない」。また江川の一球一球に目を凝らし、投球の癖も発見した。そして江川から最少得点の1点を奪うイメージを掴むため、5点差で負けている試合でもスクイズを敢行した。


■そして昭和48年、夏の甲子園2回戦で、ついに対戦が実現した。銚子商のエース・土屋正勝は江川に負けじとばかり「生涯最高のピッチング」(本人)を披露。試合は0-0のまま延長12回裏を迎えた。

すると、この場面で雨が一層強く降り出した。ふつう集中力が途切れがちになるが、銚子商ナインは逆に気持ちを強くした。なぜなら「江川は、晴れの日はバテやすい。曇りの日は絶好調でノーヒットノーランが生まれやすい。雨の日は苦手」というデータを持っていたから。「この試合は勝てるぞ!」

その自信が影響したのか、1本の安打と2つの四球で一死満塁のチャンスをつかむ。ここで打席に入ったのが長谷川泰之。カウントは2-3のフルカウントになると、斉藤監督からのサインは、これまでの「打て!」から一転、「スクイズ」に変わった。

一死満塁、フルカウントの場面でスクイズは常識的に考えにくい。いかにチームで一番バントのうまい長谷川であってもだ。まるでこの瞬間のために、練習試合でスクイズを敢行したと思えるほど。そして江川が投じた球は大きく高めに外れ、長谷川はしっかりと見逃して押し出しの四球となった。そしてそれは江川の高校最後の一球になった。


■最後にスクイズのサインが出ていたことを、ボクはまるで知らなかった。あらためて画像を見ると、江川が振りかぶった瞬間、長谷川の両手が少し離れているように見えた。

銚子商勝利のウラ側には、こうした江川攻略に賭けた執念があったのだ。

高校野球はめまぐるしく「流れ」が変わるのが常。それは技術の未熟さや相手チームの研究不足、そして強行日程などが微妙に絡む。しかし攻略すべき対象が明確な場合は別だ。事前に手を打ち「流れ」を呼び込むことが可能になる。同じ年のセンバツでは、やはり江川攻略に向けて「(江川を)打たなくても得点する野球」を目指した広島商が、機動力を使って作新学院に勝利したこともあった。

弱者が強者を倒す。それを見るのがボクの野球を見る楽しみである。

※あ、そうそう、現・国際武道大の岩井美樹監督が当時の銚子商の選手だったことを、ボクは知りませんでした・・・。


■最後に、youtubeで見つけた江川の高校時代の投球。
対銚子商戦は見つからなかったので、対広島商戦をアップしておきました。

 

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Last updated  2013.07.02 13:56:37
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