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近代日本文学史メジャーのマイナー

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analog純文

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2011.08.10
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  『修禅寺物語・正雪の二代目』岡本綺堂(岩波文庫)

 実はわたくし、クラシック音楽が好きなもので。
 それに十年ほど前になりますが、我が家から自転車で20分くらいの所に(ダッシュで行けば12分くらいで着きます。一度開演に遅れそうになって、必死に行ったことがあります)、クラシック音楽を中心としたコンサート・ホールができたもので、まー、結構聴きに行っています。

 で、そのホールは、一方で古典芸能も行っているんですね。落語とか浄瑠璃とか、それから現代演劇も。
 わたくし、今まではあまりそんなのは見なかったんですが(落語は何回か見ました)、ある日、こう考えました。

 「クラシック音楽ももちろんいいが、我が国の古典芸能について、ほとんど無知であるというのはいかがなものか」と。

 で、あっさり反省した私は(反省はすぐするんですね。ただ長続きしないことと、すぐ忘れるだけで)、人形浄瑠璃を見に行くことにしました。
 以前、確か淡路島に行った時、少しだけそんなのを見たような気がするんですが(淡路島には、郷土芸能として人形浄瑠璃があったように思います。谷崎潤一郎の『蓼食う虫』にも、作品の舞台としてそんなのが書かれてありました)、それは観光客対象の、さほど本格的いう感じのものではなかったので、まぁ、ほとんど初体験であります。

 演目は『曽根崎心中』。ねっ、わりと本格的でしょ。
 私は、『曽根崎心中』の載っている岩波文庫を買いまして(まるで僥倖のように105円で売っていたんですねー)、ネットなんかも調べて万全の予習を行い、本番に臨みました。

 ……いえ、良かったですよ。初体験ということもあって、いろんなものが珍しくとっても楽しく観劇させていただきました。
 で、内容とは関係ないんですがね、少し気になった、というか、なるほどねーと感心したことがあります。それは幕が下りてからのことで、クラシック音楽やオペラなんかと大いに異なるそのあり方についてであります。

 カーテンコールのことですね。
 実はわたくし、常々密かに思っていたんですが、あのクラシック音楽のカーテンコールのしつこさ、本当のところ少し「閉口」していたんですね。
 「素人が何を言うか」と言われそうなのは分かっております。
 カーテンコールがしつこいと言っても、現代の日本のそれは、本場のものや記録に残っているものに比べると、まるでレベルが違うではないか、と。
 
 なるほど、私も本で読んだことがあります、本場の、昔のカーテンコールの「しつこさ」。
 指揮者が100回くらい、舞台袖を行ったり来たりしたことなんてざらにある、と。

 しかしそれはそれとして、日本の古典芸能の、幕が下りた後の「引き際の良さ」というか、「愛想のなさ」というか、これはずっとクラシック音楽演奏会に馴染んでいたものにとっては、少し驚きでありました。
 幕が下りるや直ちに、観客は席を立ってそそくさと帰路に就きます。
 私は、「え?」という感じでしたね。

 この「引き際の良さ」あるいは「あっさり感」。これって、きっと日本と西洋との文化の違いでもあるんじゃないでしょうか。
 例えばベートーヴェンの『交響曲第5番』の、あの最後の部分のしつこさ。あれは、初めて聴いた時は驚きましたねー。「まだ終わらんのかー」っちゅう感じでしたねー。

 一方、こうして比べれば大いに際だつ日本文化の「あっさり感」。
 日本画の「余白」なんてのも、この「あっさり感」の延長でしょ。
 第一、武士の切腹なんて、その典型ではありませんか。
 武士道の研究書みたいな『葉隠れ』には、確か「武士道とは死ぬことと見つけたり」とあって、「一つ二つの場にていち早く死ぬ方に片づくばかりなり」なんて書いてあったように記憶します。
 よーするに、迷ったらとにかくあっさり死ね、と。

 うーん、しかしここまでいっちゃうと、文化としての「あっさり感」も、ちょっと問題がありそうですねー。すぐにあきらめちゃうみたいな感じがあります。
 なるほど、「神風特攻隊」なんかも、この延長ですもんねー。

 えー、この「あっさり感」ですがー、なぜこんな話になったか今思い出しました。
 それは、近松門左衛門の『曽根崎心中』と、岡本綺堂の『箕輪の心中』とは、ラストの引きずり方について、綺堂の方が長くしつこいんじゃないかと私が感じた、というのがそもそもの初めでありました。

 やー、やっと今回報告予定の作品名が出てきましたねー。
 さて今回報告の戯曲集ですが、とっても面白かったです。
 あれこれいろいろ考えつつ、私は楽しく読んだのですが、えーっと、そのことにつきましては、次回に。
 どうも、すみません。


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Last updated  2011.08.10 07:35:55
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