三菱の電気自動車「i MiEV」に乗ってきた。
みなさん、こんにちは(^^)/。 三菱自動車が開発中の電気自動車「i MiEV(アイミーヴ)」に乗せてくれるというので、先日、岡崎まで行ってきました。i MiEVは軽自動車iをベースとした電気自動車です。 乗ってみてどうかといえば、走行性能的には「すぐ発売して!」というレベルでした。電気モーターはその特性上、回転数ゼロから回り始める瞬間に最大トルクを発生します。そしてその数値が180Nmと、1.8l車並みにありますから、加速が悪いはずはありません。むしろ「違和感が無いように、加速性能は抑えた」というくらいです。 雨のため最高速は試せませんでしたが、メーター読みで140km/hくらいと、iのガソリンターボ車同等とのこと。これは軽自動車登録を目指しているため、最高出力を自主規制上限の46kwに抑えているためで、最高出力が同じなら、最高速は同じになって当然ですね。 感心したのは、操縦安定性と乗り心地が大幅に向上していること。ガソリン車に対して180kgほど重くなっているのですが、それがホイールベース間の床下に搭載されているため、重心が下がってロール方向の安定性が高まっているのです。同時に、相対的にバネ下重量が軽くなっているため、乗り心地にも落ち着きが出ています。ミッドシップによるロングホイールベースとセンタータンクレイアウトを採用したiというベース車のメリットが最大限に生かされていると言えるでしょう。 もちろん騒音や振動レベルは非常に小さく、モーター特有の高周波音こそ出ますが、そのレベルは極めて低いです。 電気自動車懸案の、航続距離(1充電あたり走行可能距離)と充電時間ですが、前者は130km、後者は急速充電で20分(80%充電)、家庭用200V3層交流で5時間ということです。 航続距離は10・15モードの値です。実走行で空調やオーディオ、ヘッドランプやワイパーまでフル稼働させた場合、恐らく最悪条件では60km程度になるのではないかと思われます。特にエンジン廃熱が利用できない電熱ヒーターの消費電力が厳しいようです。 で、問題は、この航続距離をどう考えるかなんですね。「60kmじゃ、これまでのガソリン車の代わりにはならないじゃないか」 と考えるか、「日常の脚として使うなら十分」 と考えるのか。 ぼくなら後者で考えます。 三菱の調査では、軽自動車の1日あたり走行距離は、多くても30km程度というデータもあるそうです。30kmはちょっと少ないような気もしますが、最悪条件で60km走れれば、実用上の問題は無いと思われます。 走行性能があまりに素晴らしいため、ファーストカーとして多くを求めたくなってしまいますが、それが達成できずになかなか世の中に出て来れないというのは、むしろもったいなく思います。特に電気自動車のメリットは、減速時にエネルギー回生できることや、走行中の排ガスがゼロであることです。高速走行時の効率は、最新のディーゼルもかなり高い水準にありますから、そこで比較するのは得策ではないでしょう。 ちなみに商品化目標時期は2010年までのなるべく早い時期、価格は200万~150万円を目標にしているとのことです。軽のターボ車が150万円くらいすることを考えれば、200万円の価値は十分にあると思います。 200万円じゃ利益は出ないでしょうけれど、仮に250万円の定価でも、政府からガソリン車との差額の半分が出ますから、ユーザー負担は200万円になります。走行性能からすれば「そのくらいなら、出してもいいな」と思える仕上がりでした。 また、 燃料代は、深夜電力を利用すれば、iのガソリンターボ車の13分の1とのこと。年間8000km走行(片道15km通勤×22日×12ヶ月を想定)なら、約6万円、浮くことになりますから、8年乗れば元が取れてしまいます。 リチウムイオン電池のサイクル寿命が今後の課題となりそうですが、期待して待ちたいと思います。