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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Sep 27, 2011
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みなさん、こんにちは。

 久々に”本業ネタ”です(^^;。昨日、ホンダの青山本社で、自動二輪の環境技術に関する発表会があったので、行ってきました。発表されたのは、125ccのスクーター用エンジンと、700ccのスポーツバイク用エンジン&デュアルクラッチ・トランスミッションです。

 で、感想をひと言で言いますと、「地味!」(^^;。

 125cc用は、オフセットクランクとかスパイニー加工したシリンダーライナーとかローラーロッカーアームへのニードルローラベアリングの採用とか冷却ファン形状の改良とか、4輪ではすでに採用されている技術ばっかり。125ccスクーターがコスト面で厳しいのはわかりますが、わざわざ発表会を開くような内容では無いような(^^;。

 対する700ccエンジンのほうも、一般の2輪車ユーザーを惹き付けるような新技術は、ありませんでした。まあ「正攻法」ではありますが。

 シリンダーレイアウトは並列2気筒。冷却損失の面から行けば、700ccなら2気筒が一番いいでしょう。アイドル回転から理論空燃比燃焼として、燃費を40%向上させたのも、また良し。最高出力発生回転数を6,400rpmに抑え、低中速トルク型の特性にしたのも○です。

 実はこれ、7~8年前に某ホンダ系燃料供給機器会社の工場見学に行った際、懇親会の席で僕が話した「今後、あるべき2輪車エンジン」そのものなんですね。当時、僕は750ccのオートバイに乗っていましたが、いろいろ細工をしても燃費は26km/lぐらい。最高出力発生回転数は10,000rpmなのに、峠で頑張ってもせいぜい7,500rpmぐらいしか回せないし、「4輪車より環境負荷の低いモビリティ」として自動二輪を選んだ僕に取って、排ガスの汚さも許しがたいものでした。

 そこで、そのメーカーの役員に「パワー空燃比で燃やしてNOx減らして二次空気でCOとHC減らして規制をパスしたからって、燃費も排ガスも4輪より悪い物を胸はって売ってるのは志が低い。高回転・高出力を捨てれば、低中回転でも燃焼が安定してストイキで燃やせ、燃費も排ガスも良くなる。パワーは出なくなるが、そんなのは今までは”反則”だっただけ。フェアな方法で勝負するべきではないのか」と言ったのですが、「そんなバイク、走って面白いですかねぇ?」と、言下に否定されました(-_-;。

 僕は「高回転・高出力型のエンジンを求めているのは、サーキット走行するとか、ツナギ着て峠を攻めるとか一部の特殊なライダーだけ。一般のツーリングライダーは、”速さ”や”刺激”よりも、スムーズに気持ち良くコーナリングできることを求めているはずで、過敏な吹け上がりの無い低中速トルクを活かして、コーナーの立ち上がりで安心してスロットルを開けられるのは、別の種類の気持ち良さがある」と反論したのですが、わかったようなわからないような顔をしていました。

 んで、昨日、発表したエンジンは、最高出力発生回転数が13,000rpmのオートバイのユーザー調査をしたところ、使用回転数は6,000rpm以下が80%、走行速度は140km/h以下が90%だったことがわかった結果だそうです(^^;。開発開始は4年前なので、時系列的には僕の発言が影響を与えた可能性は0ではありませんが、まああのときの反応からすると、その場で忘れ去られたんじゃないかと思います(^^;。

 で、まあ性能的には「我が意を得たり」なんですが、メカ的に見ると「ホントに売れるのか、これ?」と心配になりました。動弁系はSOHCの4バルブ、1スロットルにトーナメント式のエキマニ+直下触媒と、まるで4輪車用エンジンのような仕様です。バルブ挟み角を小さくしたいのはわかりますが、スポーツバイクのアイコンとも言えるDOHCを捨て、ワイヤー式の1スロットルでは「萌え」ませんよねぇ(^^;。バルブ挟み角の件は、ローラーロッカーアームを使えば解決できます。DOHC化すればコストアップにはなりますが、大型2輪なんて趣味の乗り物ですから、ユーザーはアイコンにはお金を惜しむことは無いんじゃないかと思います。

 さらに心配なのは、最高出力値。昨日は発表されませんでしたが、全域ストイキだったら、リッター当たり出力は75馬力ぐらいでしょう。700ccならせいぜい53馬力といったところで、CB400SFと変わらないぐらいになっちゃうんですね。

 もちろんトルク値が全然違うはずですから、乗れば良さはわかると思うのですが、一般ユーザーがどこまで理解できるでしょうか。4輪ではすでに、最高出力を意識して買う人はほとんどいなくなっているようですが、何せ「ホンダの最新スポーツバイク」ですから、理解してもらうのが大変でしょう。

 もうひとつ心配なのが、デザインです。ミラノショー出展予定バイクはフルカウル仕様で、何だかスクーターみたいに見えました(^^;。騒音規制や空気抵抗の面からは、カウルで覆いたくなるのはわかりますが、もうちょっとスピード感のあるデザインにしても良かったんじゃないかと思いました。今後、別のモデルにも展開される予定とのことですが、シリンダーが62度前傾というのが、デザインにどういう影響を与えるのか。

 それと、もうひとつ細かいところですが、「冷却水ポンプをカムシャフト駆動にして構造の合理化を図った」って自慢していましたが、今どき板金プレスのウォーポンを自慢げに見せていたのは、見ているほうが恥ずかしかったですよ(^^;。「最新の環境技術」を謳うなら、樹脂で成形したタービン形状のポンプにしなければ、効率悪過ぎます(^^;。 

 






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Last updated  Sep 27, 2011 08:48:56 AM
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