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みなさん、こんにちは。 先日、福島県の安達太良山まで放射線を計りに行ってきました。山頂では0.07~0.085μSv/h、登山の起点となるロープウェイ乗り場で0.2μSv/h前後と、それほど危険の無い数値でした。計測器はHORIBA RADI1000。シンチレーション式サーベイメーターです。 そう、やっとヤマケイが動いてくれたんです。件の数式も、さらに精密化して(地表からの自然放射線を加味しただけですが(^^;)、東大の小豆川助教に見ていただきまして、「考えかたとしては合ってますね」とお墨付きを頂戴しました。 あんまり書くとネタバレになっちゃいますので、詳細は「山と渓谷」2012年1月号(12月15日発売)をお買い求めいただくとして、表題の件。 道中、東北道で放射線計測しながら走っていたのですが、那須塩原を過ぎた当たりから、線量が高くなりました。だいたい0.4~0.6μSv/hぐらいで、場所によっては1μSv/h越えるところもありました(丘陵地帯の頂点から北側が高いようです)。 途中、那須高原SAで休憩したのですが、ここは0.188μSv/h。「急に低くなったなぁ」と思ったら、改修工事中でアスファルトが新品。10月に貼り換えたばかりだそうです。そこで土の上に計りに行くと、今度は0.653μSv/h。たぶんアスファルトも貼り換え前は0.5μSv/hぐらいあったんじゃないでしょうか。 SAを出発した後、カメラマンをお願いした村山君がひと言。「剥がしたアスファルト、大丈夫なんですかね? どこに捨てているんだろ」 こちとらジャーナリストの端くれですから、そう言われたら調べるしかありません。帰京した後、まず環境省に電話しました。 すると「工事で出たものは産業廃棄物の扱いですから、都道府県が法に則って指導しているはずです。8000Bq/kg未満なら一般廃棄物、それ以上なら放射性廃棄物として、セメント固化した後、粘土層に埋めているはずです」との回答をいただきました。 続いてNEXCO東日本に電話しましたが、「本社では詳細はわからない」とのことで、東北支社の電話番号を教えてもらい、電話をしたのですが、担当者不在。本日、回答をいただきました(いずれも非常に丁寧に対応していただきました)。 結果は、「剥がしたアスファルトの放射性物質含有量は、370Bq/kgでしたので、アスファルトは再生プラントへ送りました。その後はプラント会社の裁量なので、詳しくはわかりません」とのこと。一応、法を遵守して適正に処理されているようです。 が、ここで「はいそうですか」では、ジャーナリスト失格。理想的には別のルートで裏取りをするべきなのですが、時間がないので検証計算してみました。 地上1mの空間放射線量率が1μSv/hだと、地表には約40万Bq/m^2の放射性セシウムが沈着していると換算できるそうです。さらに、アスファルトの密度を調べたところ、だいたい2.35t/m^3。剥がしたアスファルトの厚さを20cmと仮定すると、1m^2あたりの重量は470kg。ここに40万Bqの放射性セシウムが沈着していたとすると、約851Bq/kgとなります。 空間線量率を半分の0.5μSv/hとすると、425.5Bq/kgとなりますが、剥がしたアスファルトがもうちょっと厚ければ、まあ370Bq/kgぐらいになっても不思議は無いわけで、回答にごまかしは無さそうだと言うことがわかります。 さらに、アスファルト再生時の温度を調べてみたところ、125~165℃だということがわかりました。セシウムの沸点は671℃なので、再生プラントから揮発して拡散するという心配も、どうやらなさそうです。 もちろん、再生された骨材から微量ながら放射線が出てしまうことはさけられませんが、焼却汚泥がコンクリート骨材に再利用されるよりずっと濃度は少ないですから、まあこの件は「一件落着」ということでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 22, 2011 03:55:56 PM
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