ココ連日、軽やかなピノばかりに当たっているので、
「のれんに腕押し」的な感じで、なんとなく満足しない。
「うーん、もっとしっかりしたピノが飲みたい!できればヴォーヌ・ロマネ!」と
と思ったけれど、(ヴォーヌ・ロマネ)村名のもので
飲み頃の手持ちがない。。。
ならば、と代わりに選んだのがコレ
ブルゴーニュ レ・シャン・タルジャン 2009
開けるのは絶対早いと分かっちゃいるけど、
こうなっちゃ欲求は止められません
生産者はJ.カシュー・エ・フィス。
フランス・ブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネが本拠地。
所有畑は5haに満たないながらも、
ヴォーヌ・ロマネの特級や1級など、樽の効いた力強いワインを生産。
現在はジャック・カシューの息子、40代のパトリスがドメーヌ(※1)を運営。
真面目なパトリス・カシュー氏
生産者名は昔ながらにお父さんの名前「ジャック・カシュー」で通じるけれど、
「J.カシュー・エ・フィス」。
(「ジャック・エ・パトリス・カシュー」として流通することも)
コレはACブルゴーニュとはいっても
ブドウはヴォーヌ・ロマネ村のACブル区画(※2)の畑「レ・シャン・ダルジャン」のもの 。
新樽を10~20%使用。
ちなみに、この生産者は清澄、フィルターはかけずに瓶詰めするため、
旨味いっぱい。
久しぶりのジャック・カシューのブル♪
以下詳細情報。
●Bourgogne LES SHAMPS D'ARGENT
(ブルゴーニュ レ・シャンダルジャン )
収穫年:2009年
生産国:フランス(ブルゴーニュ)
格 付:AOCブルゴーニュ
生産者:J.カシュー・エ・フィス(ジャック・エ・パトリス・カシュー)
輸入元:(株)ラックコーポレーション
購入店:ワインショップ・フジイ
購入価格:2600円
アルコール:12.5%
ブドウ品種:ピノ・ノワール100%
色:スミレ色がかった濃いルージュ(グラスの底は見えない)
エッジまでしっかり色素あり。粘性~中の上、ややテリあり。
香り:カシス、ブラックチェリー、ブラックベリーの完熟した広がりある果実香。暑い時期の草むらの中で熟している果実の印象。
真っ赤なバラ。甘草、丁子、シナモン、カルダモンなどの少し甘さあるスパイス。
鉄、葉巻の皮、鼻に真っすぐ抜けるアルコールのような清涼感ある香りも。
ブルゴーニュグラスに移すと、カカオの風味がでて、まとまりが良くなる。
良く熟した黒系ベリー中心の凝縮感ある複雑な香り。
味わい:柔らかな口当たり。ボディはミディアムアッパーで、ドライ。
最初の一瞬は果実味よりも、ミネラルと樽由来の焦がした板の風味。
ほどなくして、じわじわと赤ベリー系、黒ベリー系の果実味が口の中に広がり長くつづく。
香りよりも味にはホットさが少なく、タンニンはほんの少し口の中を乾かすが、細かくシットリし始めている。
酸はまだ頬の両脇をキュッとさせるけれど、持続性アリ優雅。余韻が長い。
果実味とミネラルで、しっかり詰まった味わい。
(3日目にはすべて溶け込んで、肉の風味もある官能的な味わいに!)
今回合わせたのは
鴨ハンバーグの赤ワイン煮込み。
鴨自体には合うけれど、
煮込んだワインが力の弱いボルドーだったので、
ちょっとソースがイマイチ。
それよりも、まだワインの樽の雰囲気が強く出ているので
いぶりがっこ(くん煙した秋田の沢庵)にクリームチーズをかけるとピッタリ!
粒コショウを粗くひいて、パラリとかけると格別!
やっぱりまだ早かったけれど、
いい生産者は時間の経過でちゃんと化けてくれるので、
期待を裏切らない!
あと1年以上待ったら、もっとなじんで良くなるだろうから、
ストックしておいて間違いはないですよ
※1ドメーヌ~自家栽培・自家醸造の生産者。
※2ACブル区画~通常、ブルゴーニュにある村の生産者が同じ村で採れたブドウからワインを造ると、その村名をつけられそうなもの
(今回はヴォーヌ・ロマネ村に住むジャック・カシューさんが、自分のヴォーヌ・ロマネ村の畑で採れたブドウでワインを造ると、ラベルの表示に「ヴォーヌ・ロマネ」をつけられそう)
ですが、
たとえ同じ村で採れたとしても、ブルゴーニュの畑はフランスのワイン法によって厳密に
「特級(Grand Cru)」
「1級畑(Premier Cru)」
「村名(Village)」
「ACブルゴーニュ(Regionales)」
などと決められています。
ただACブルゴーニュ(ラベル表示:ブルゴーニュ)というのは面白いもので、
今回の「ヴォーヌ・ロマネ村のACブル区画」として決められている畑のものは、当然、表示はブルゴーニュ。
でも、村名クラスとして決められている畑のブドウでも、単一村ではなく、いろいろな村のものを合わせてしまうと、表示はブルゴーニュ。
また、色々な村のACブル区画ばかりを混ぜても、表示はブルゴーニュ。
あるいは、生産者によって「このワインは村名として表示できるけど、あまりいい出来ではなかったから、格下げしてブルゴーニュ表示で出しちゃえっ!」でも、ブルゴーニュ。
などなど、
ひとくちにACブルゴーニュとは言っても、背景はさまざま。
情報がないと味が予想しにくく、当たり外れも大きい。
単に値段がリーズナブルなだけではなく、実はそこが面白いところでもあるんです。
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