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Sep 29, 2013
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カテゴリ:読書
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小説にしろ映画にしろそうですが、事前にこういう話だよと言われてたり想像していた内容が、実際に読んだり観たりしたら違う印象が残った事ありますよね。そういうとき、世間の評判と違う印象を持った自分が変だと思うか、それとも違った観点で観てる自分に妙な優越感を持つか、どっちかになると思うんですが、私は後者です。ちなみに、あまり度が過ぎると、後者の姿勢は嫌われます。
『終わりなき戦い』は74年に発表され、ネビュラ賞ヒューゴー賞ロータス賞を受賞した戦記SFの名作です。まったく新しい星間航行を生み出した未来の人類は急激に宇宙に進出していきます。しかし、それは道との文明との衝突の始まりでもありました。やがて人類はトーランと呼ばれる異星人と戦争状態に突入します。主人公はその最前線へ兵士として送り込まれます。
まず、この作品ですが、戦争テーマSFでは、あまりにも有名すぎる名作、名実共に名作と言われる巨匠ハインラインの「宇宙の戦士」と並んで金字塔と呼ばれるほど評価されています。ですから「宇宙の戦士」を読んだ私としてはぜひ読みたいと思っておりました。で、北海道のブックオフで見つけて即決購入、さすが北海道、穴場だからいい物があるぜと思って、帰って来て近所のブックオフに行ったらそこにも並んでいたというオチ。
読んで最初に思った事は、ハインラインの「宇宙の戦士」とは全然切り口が違うなあということです。同じ戦争をテーマにしたものがたりとして、「宇宙の戦士」は以前、その感想に書いた通り、戦争状態の混沌とした社会を規律させるのに必要な物が何か、教育であり、公共と個人の分別であるという視点から、どちらかというと上から目線で書かれた印象がある作品で、もっと娯楽作品かと思って読んだら実に難しい話だったんですが、この『終わりなき戦い』は、常に現場の視点で書かれて、訓練から実践に至るまでのいち兵士たちの日々を画いており、きれいごと絵空事は一切なし、ですから生と死と、そしてそれに関連する性について、ある意味実にエログロに書かれています。そして、前半の訓練から実戦を中心に進んだ話は、半ばから後半には、戦争よりも人類の文明の変化、とくに人口問題、日本でも少子化が問題になっていますが、そういった点に切り込んできています。最終的には心温まると言っていいのかどうかわかりませんが、きれいなオチになるんですが、このふたつの作品の比較は実に興味深いですね。実はこのふたつの作品、どちらもあのアメリカの汚点、黒歴史、ベトナム戦争がからんでいます。ハインラインが「宇宙の戦士」ベトナム戦争への痛烈な批判(アンチテーゼとしての批判が戦争への意識高騰と勘違いされたと言う説もありますが)を通じて社会理論を説いていますが、どちらかというと傍観者に近い立場、それに対して『終わりなき戦い』のホールドマンは、ベトナム戦争に実際に参加しており、その経験がこの作品に生かされています。ですから、訓練と実戦のシーンはベトナムのそれなのです。そんな戦争の現場最前線からの視点で描かれた作品ですから、社会理論だどうだのこうだのそんな話はまったくありません。ただひたすら、ありのままが画かれます。そして、この作品の一番特徴的なことは、星間航行法によるウラシマ効果をベトナム帰還兵の孤独に重ねた事です。この発想は素晴らしいですね。ハリウッドも、安易なリメイクや続編をやってないで、こういう作品を映画化してくれと思ったら、リドリー・スコットが映画化するようです。期待していいのかな。





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Last updated  Sep 29, 2013 06:11:59 AM
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